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    「夢見る星座」 キャラモモ 2008年 … 世界観のある作品は大変

    夢見る星座夢見る星座
    (2008/03/26)
    ドラマ平川大輔・成田剣・小野大輔・武内健ほか

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    原作:『夢見る星座』 草間さかえ リブレ出版 2007年 
    出演者:成田剣(柳沼)×平川大輔(久世)、平川大輔(委員長)×小野大輔(山口健介)、小野大輔(往彦)×武内健(稔)、ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    2. 好きな声質を持つ声優さんが出演しているから
    6. 原作を読んでいなくて、ドラマCD化したなら聞いてみようかと思ったから

    大輔対決+草間作品ということで聞き耳。
    (生き別れのいもりん、ありがとー!)

    ■「夢見る星座」 成田×平川
    上司(ストレート)×部下(ゲイ)モノ。
    首あたりから背中、隠れたところにあるホクロをつなげれば星座になる…と考えるなんて、ずいぶんとロマンティックでリリカルな男のように思えるが、柳沼(攻)はごくフツーのオヤジリーマンだったりする。

    ごくフツーのオヤジと、そんな上司にずっと思いを寄せてきた部下の若いゲイ。
    日常会話が続いたあと、ふたりきりになってしっとり語られる「ホクロと星座」。

    冒頭こそごくフツーのBLという感じだが、聴いていると突然、見知らぬ路地に放り込まれたような感覚に陥り「今、私はなにを聴いているのかしら?」「どこか懐かしい」という気分になっていく。日常の中、一瞬時が止まったようにして起きるノスタルジックでロマンティックなシチュエーション――オーディオドラマという形態になってもそこには草間さんの世界があった。

    成田さんがごくフツーのリーマン上司を演じていて新鮮。平川さんはクールなのかな〜?と思ったら、これが意外や可愛いい受だった。ともに高すぎず低すぎず、声と音のレベルの面でもたいへん聴き心地の良い1本。

    ■「されど美しき日々」 平川×小野
    不細工受。大輔対決。
    主人公ヤマケンは、小学生のときに「ネズミ」とあだ名を付けられていじめられていた――そのくらいの年頃には外見に対するいじめが周りであったよなあと、CDを聞きながらふと昔を思い出した。子どものいじめは単純で残酷だ。

    ヤマケンを助け、「好きだ」と云ってくれた委員長。数年後に再会したとき、彼は記憶喪失を患ってヤマケンを忘れていた。だけどそれでも委員長はもう一度ヤマケンを好きになる――ああ、なんて運命的でロマンティックな恋なの…とうっとりさせといて、いじめの原因となった場面をしなりと挿入。誰がヤマケンをヘンな顔と云いだしたのか。そのうっすら黒い真実が、感動的な話にほんのりと苦みを与えていた。

    小野さん相手だと平川さんが攻になるのが意外、不細工なネズミ男をハンサムな小野さんが演じたのも意外、さらにそんなふたりが高音で小学生役を演じていて意外と、聴く人によってはとても希少で貴重な1本。

    ■「夏の道しるべ」「夏の道しるべ2」 小野×武内
    ひと夏の経験(?)モノ。小野vs.武内、初対決。
    今は誰も住んでいない貸家――その昔、そこに住んでいたのは高齢の女性。主人公は祖父と一緒によく彼女のもとを訪ねていた。祖父も女性も亡くなり、受験勉強のため貸家を訪れた主人公の前に、ひとりの男が現れる。コイツはいったい誰だ?

    おじーちゃん憧れの相手、密かな思い、そして孫の時代になって――と時の流れだけでもうノックアウト。老いらくの恋が孫の恋にも影響を与えていくところがいい。とてもノスタルジック。

    初めての小野×武内。エロはそんなに激しくなかったので聴きやすかったけれど、小野さんって滑舌が弱い人かもしれない(たとえば「海王社」は「かーよーしゃ」に聴こえる)。アニメではどうなのかな?

    *******************

    目当ては小野さんだったのに平川さんもいた。大輔対決だー。

    CDはどうだったかというと――原作未読で聴いても「草間さんの世界だなあ」と思えた。ただ淡々としているせいか、大切な場面やセリフをうっかり聴き逃してしまって慌てて巻き戻す…ということがしばしばあった。もとからいろいろと足りない作品にどの言葉をどう追加していくか、世界観を壊さずに場面の転換や心情の変化をどう表現していくか…脚本化や演出、演技で相当苦労したと思われる。そのままだとなにをしているか、どういう感情なのかわかりづらい。かといって、行動や行為を表すセリフが増えすぎると無粋になってしまう。求められるのはその一歩手前。草間作品のドラマCD化は、かなり難しいんだなと思った。成田さんがスタジオ入りしたら、先に「されど美しき日々」の収録を終えた平川さんがいて、ぐったり放心状態だったとフリートークで語られていたように、「どうしたら世界観を壊さずに演じられるか」と声優陣も相当苦労された模様。

    ドラマの出来はみな同じ…というか、飛び抜けて「コレ!」という1本はなかったので、聴くときの気分で好みが変わりそうな1枚。

    評価:★★★☆(古いトランジスタラジオから流れるドラマを聴いているような気分になる)
    好み:★★★☆(エロは控えめです)

    フリートークで成田さんが「寝る前に聴いて欲しい」と云っていて、思わず納得してしまった。ビコーズ、三篇すべて聴き終わるまで、私は三回も寝落ちしてしまったからで…なんだろう、「羊でおやすみ」CDよりよっぽど催眠効果のあるCDに仕上がっていた。それが狙いとは到底思えないんだけど…とりあえず付加価値ということにしておこうか、うん。


    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年10月26日に書いた感想を加筆修正

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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

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