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    谷崎泉 『しあわせにできる 8』 二見書房 2005年 … 黙示録を読む

    しあわせにできる (8) (シャレード文庫)しあわせにできる (8) (シャレード文庫)
    (2005/08/26)
    谷崎 泉

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    君を皇から奪おうと思っている―久遠寺の兄・昴にそう宣言され、キス写真を撮られた本田は、誘われるまま昴の待つホテルに一人で向かう。罠と知りながら、言葉巧みな昴にからめとられ薬を盛られたうえ、ベッドルームで服を脱がされ絶体絶命のピンチに陥るが―。兄弟の確執を知った本田は認められずにいた久遠寺への想いと素直に向き合い、ついに二人はお互いの気持ちを通じ合わせることができた。しかし昴の策略は終わらず、始まったばかりの白金での同居生活も風前の灯火。姑息な手口に、ついには怒り心頭に発した久遠寺が公衆の面前で昴を殴りつけるという事態に―!?波乱の第一部クライマックス!書き下ろしは本田の出生の秘密編。


    一大クライマックス、怒涛のごとき8巻。

    焦点はやはり自分の中にある黙示録を読む本田である。

    写真をネタに天敵・昴から呼び出しを食らい、殿には内緒で高級ホテルへ乗り込んで行く本田はひとり緊張の面持ち――と、「部屋に行った → ビールを飲んだ → 睡眠薬入りだった → 気を失った → 気が付いたら裸でベッドに転がされていた」と、腐女子であれば過去そのネタで軽く数十冊は読んでるんじゃないかと思うくらいベタな危機に遭遇してしまう本田、人生最大のピンチである。

    殿は海外出張でまたもや不在、そんなときに本田を助けてくれる人といえば――そう、風車の矢七こと徳永家の秘書・森田である。なんと今回は 悪代官 社長・映とともに登場。

    だが、この8巻はその場面が最大のクライマックスではない。助けられた本田は徳永家にいったん避難、映から久遠寺兄弟の軋轢を聞いて殿の過去を知ったのち、白金の自宅へ戻ろうとする――その後にこそ真のクライマックスがある。運命の相手は殿ただひとりであると悟る本田。そして昴との一件でダメージを受けた本田に、その理由も訊かずに優しく大切に扱う殿。素晴らしい場面である。

    お互い育った環境はまったく違うし、会話が成り立たないこともあったが、次第に彼を理解していく自分がいた。今まで人に甘えたことがなく、どうして甘えていいのかもわからなかった自分だから、今回もひとりで解決しようとした。でも昴はこれで終わらない、これからも自分を通して久遠寺に圧力を加えてくるだろう。なんとしてでも阻止したい。でもいまは昴から受けたダメージでボロボロだ。そんな状態を久遠寺に知られたくない、でも家に帰って久遠寺が自分にしか見せない表情を向けてくれただけで――手を伸ばし、助けを求め、すがりたいと思ってしまう。それはどういうことか?

    過去は問題ではない。自分に必要なのは今の久遠寺であり、そしてその彼との未来である。
    本田は、自分の中にある黙示録を読み、自覚する。

    …と、ハーレイクインに展開していくのだが、ここで突然ワイルドカード投入。徳永祖父によって(完全にとはいえないが)問題が解決。なんと昴は祖父に頭が上がらない。ラスト近くで本田と殿を昴から救うあたりは、祖父というより水戸黄門。助っ人に矢七、バックに水戸のご隠居とは、ずいぶんと贅沢な話である。

    番外編「しあわせの色彩」もいい。徳永祖父視点で、静香お母さんの恋、本田出生の秘密、映が養子に出されるいきさつなどが描かれており、何人ものキャラクターにそれぞれのエピソードを上手く相関させた1本のストーリーになっている。素晴らしい。

    評価:★★★★★(素晴らしい!ブリリアーント!)
    しっかし…根暗な理由から、「ナインハーフ」ごっこまでして本田にチューをする昴って、お~い!ストレートの男がいきなりそこまでできるか?…私だったらそっちの人を呼んで本田を襲わして、高みの見物だな(オッシーいわく「秋林さん、昴より鬼畜です」)。なんだかんだいっても弟と一緒、そっちの気があるんじゃ?>昴 

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月24日に書いた感想を大幅改稿

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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
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