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    館野とお子 『運がいいとか悪いとか』 フロンティアワークス 2011年 … 恋はみずもの

    運がいいとか悪いとか (Dariaコミックス)運がいいとか悪いとか (Dariaコミックス)
    (2011/06/22)
    館野とお子

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    学生モノがずっと続いていた館野とお子のリーマン新作。

    男である上司・国富に思いを寄せていることを、同僚・加賀谷に知られた主人公・岡田。その加賀谷から「俺とためしてみない?」「俺を国富さんと思っていいし」と誘われ、ある日ついに一線を越えてしまう。国富への劣情を身体の快楽にすりかえていくかのように、岡田を抱く加賀谷。いつしか岡田は、加賀谷が与える快楽の中の国富と現実の国富とのギャップで、揺れ動くようになる。国富もまた岡田の変化に気づき始める。思いが報われることのない本命上司と、最初は都合のいい「しょせん当て馬」にすぎなかった同僚男。さて主人公はどちらを選ぶ?――夢見る恋愛とリアル恋愛に悩むリーマンたちの話。

    むかーし、柴門ふみのマンガを読んだとき、幼かった私は「なんでこのふたりはくっつかないの?」と納得できなかったものだが、年齢重ねた今読むと「あーそっかー」。その「あーそっかー」が、この館野作品にあるような気がする(柴門ふみとは作品・作風ともまったく似ていないのでご注意)。

    恋愛は「なぜそうなる?」「どうしてそこで?」といった偶然やどうしようもない巡り合わせの連続で、最初に自分が望んだ方向とはまったく別の場所に着地したりする。あのとき別の相手を選ぶチャンスがあった、あの相手でも良かったかもしれない――でも選択を変えたところで、関係が続いたかどうかはわからないし、今それなりに幸せなんだからやっぱりこれで良かったのかも?…ただ、人生の節々や道の曲がり角に立たされたとき、好きだったあの人のことをふと思い出すことはあるだろう…とかなんとか、本作を読みながら考えてしまった。

    岡田・加賀谷・国富、三者三様の思いが丁寧に描写されている。館野作品を読んでいつも思うのは、キャラひとりひとりに思惑がそれぞれあって当然、むしろそれが重要じゃないの?ということ。思惑の良し悪しや読み手の好みは別にして、主要キャラはどんな性格を持っていても尊重されているし、描き方に差別がない。そんな風にキャラの心情を丁寧に描くから、セリフやモノローグ、キャラのちょっとした表情――どれひとつとして削ることができないし、話はゆっくり進んで最後まで先が読めない。こういう描き方をするのは、他に日高ショーコさんが挙げられるけれど、館野さんは読み手に与える想像の余地を隣に置いてスっと去っていくというか、作品や読み手に対してよりリベラルな感じがする(どちらが良くて悪いかという優劣の話ではない)。

    最初の誘い文句はあんなにズルかったのに、話が進むうち、加賀谷がとても可愛く思えてきてしまった。あのとき国富が云った言葉は真実だと思うし、国富は「ほっとした」のだと察する岡田に、うん私もそう思うよと共感した。でももし私が10代や20代前半だったら…加賀谷が理解できず、岡田の選択にガッカリし、「よくわからん。納得できない話」と思ったかも。

    「これでいいのか?…たぶん、これでいいのだろう」――そんな結論を主人公とともにゆだねられた1本。

    評価:★★★★(タイトルが素晴らしい!全力で褒めたい!)
    絵が比較的白いのは好みが分かれるところだけど、館野さんもマンガ力のある作家だと思う。ダリアは館野さんくらいしか読まないなー。

    綺麗に終わっているので、続編は求めない。だってこの内容で続編があったら、それはもう「運がいいとか悪いとか」という話ではなく、ベツモノだから。面白いなら読んでみたい気もする…でもやっぱいらないなあ。


    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2011年7月10日に書いた感想を少しだけ加筆修正

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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

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