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    樹生かなめ 『龍の仁義、Dr.の流儀』 講談社 2009年 … それぞれの贖い

    龍の仁義、Dr.の流儀 (講談社X文庫―ホワイトハート)龍の仁義、Dr.の流儀 (講談社X文庫―ホワイトハート)
    (2009/02/04)
    樹生 かなめ (挿絵:奈良 千春)

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    一筋縄ではどーにもいかないクセ者・晴信が再々登場、その結婚騒動に巻き込まれる氷川。なんとしてでも氷川に病院を辞めさせ、姐として大人しくしてもらおうと画策する眞鍋組。それぞれの骨折り損ぶりと、モグリの医者・木村の過去が明らかになる巻。

    前巻同様、話はどっちの方向に進むのだろうかと思っていたら、いきなり医者の不倫、男女の修羅場から始まった。医者に対し、けっこう辛らつだったりする樹生さん(元医療従事者…たぶんポジション的には久保田あたりだろうか)。学生時代に医学部の連中と仲良かった私から云わせると、たしかに医者になってから変わってしまった奴もいるが、マトモな奴だって多いといちおうフォローをしておく。ただ、対比させるように真面目な医者もしっかり描かれているので、「世の中にはいろんな奴がいて、とんでもないことを常識にしていたりする」ことのデフォルメだと私は認識している。

    どんな医者にも事情がある…ということで、この巻では木村先生の過去、彼がどんな背景でモグリの医者になったかが描かれている。木村先生は「腐っても医者」だった。モグリ化の背景には「贖い(あがない)」があって、それはリキが力也1stに、晴信がリキに、安部さんが祐の家庭に、それぞれ抱き続けているものと根は同じだと私は思う。他人から見れば「もういいじゃないか、そう思い込むほうが逆に不幸なのでは」であろうと、当事者にとってはそうはいかない。だからといって、それでリキや木村先生は不幸なのかといえば、祐が云うように、本人は不幸だとは思っていないと思う。

    それは悲しいこと?第三者がどう思おうとそれは本人の意思であって、本人が不幸と思っていないならそれも人生におけるひとつの選択じゃないか――そういうことがシリーズを通して描かれているような気がする。ただ氷川は、どうしても割り切れない。その思いを清和にぶつけるが、―個人の意思を尊重する清和はなにも云えない。BLでよくあるのは、「贖罪で追い詰められている受が攻によって救われる」というパターンだが、基本的に樹生さんの作品はそういう甘さがない。冷たいんじゃなくて、それが現実だ、いろんな思いがあって当然なんだと云っているように私は感じる。

    ちょっと残念だったのは、いつもならば「あのエピソードが伏線だったのか」とあとで気付くのに、今回はプリンスの話が出た時点で「ああ、木村先生の番ね」と先が見えてしまったこと。前巻から強化されたような印象を受けるラブシーンのバランスが悪いことも、少々気になる。でもハナからバランスを求められている作家ではないので、これはこれでいいいのかもしれない。

    次の展開は依然不透明のまま、ストーリーは「アラブの皇太子現れる!?」な次巻『龍の兄弟、Dr.の同志』へ――って…えええええええ!?アラブなんですかーーーー!?

    評価:★★★☆(氷川の特技のひとつが「劇薬の調合」だってこと、すっかり忘れてた)
    氷川を抱き潰そう(=足腰立たなくして仕事を休ませたい)と考えた清和くんが、パウダールームでやっちゃったのはいいんだけど、その白い落し物がブリオーニのスーツだけでなく壁や床にまで激しく飛び散り、氷川が翌朝真っ青になりながら「こ、こんなところにまで…」と雑巾で拭く…って、お掃除まで書いてきたBLなんて初めて読んだよー…。そんな氷川にアドバイス。ブリオーニのスーツクリーニングは、落し物が付いていようが付いていなかろうが、最高品質仕上げができる信頼のおけるお店に依頼するよーに。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2009年9月24日に書いた感想を大幅改稿
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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

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