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    樹生かなめ 『龍の灼熱、Dr.の情愛』 講談社 2007年 … 龍の過去と戦争の影

    龍の灼熱、Dr.の情愛 (講談社X文庫―ホワイトハート)龍の灼熱、Dr.の情愛 (講談社X文庫―ホワイトハート)
    (2007/10)
    樹生 かなめ (挿絵:奈良 千春)

    商品詳細を見る

    藤堂に一発食らわした氷川と眞鍋組+京介は、高級温泉旅館へ一泊旅行。清和の想像を絶する据え膳歴と暗い過去に驚く氷川、そして「愛はなんて複雑なものなんだ」という話を挟みながら、氷川を狙った藤堂の卑劣な反撃によって、「眞鍋組vs.藤堂組」――戦争の火蓋が切られた巻。

    ショウと京介による凄まじい大喧嘩、次から次へと出てくる過去の女の名に嫉妬した氷川が大口撃、それを黙り込みの術で防戦する清和、すっ呆けることでその火の粉を払おうとするリキと祐の頭脳派・参謀チーム…という、眞鍋組+京介の日ごろの図式がよくわかる温泉旅行から本編がスタート。最初はすちゃらかハイパーな展開ぶりにハラハラしてしまうのだが、話の重点は浮気疑惑や大喧嘩といった騒動の数々ではなく、喧騒を避けた静けさの中で、清和が遠い目をしながらひっそりと氷川に語り出した過去の話にあると思う。ショウとの出会い、ヤクザになると決めたいきさつ――普段の生活では語る)きっかけがなくても、旅先でならそれが自然と口に出てくる…そういうことが描かれていると思ったのだが、どうだろう?…騒動が激しいぶん、清和が淡々と語る話はずいぶんと穏やかに聞こえる。でも語られる内容はそれに反し、暗く重く悲しい。かなめ節が効いた対比である。そして語られた内容はその後、別のエピソードに絡んでいく。すちゃらかハイパーなキャラと展開が目くらましになっているので、それらに気付くのはいつもずっとあとだったりするのだが。

    「ヤクザのシノギのネタは女」ということからなのか、男女の話がよく出てくる龍&Dr.シリーズ。本巻でも美沙子さんと恭介の関係がフィーチャーされている。虐待を受けていた清和を救ったことで、ヤクザの恭介に人生ごととらわれてしまった美沙子。ボロボロにされても彼女は恭介を愛していたのか。ろくでなしヤクザ・恭介は彼女をどう思っていたのか。清和も云うようにふたりについては「わからない」。それは当事者しかわからない関係であって、愛は本当に複雑だと思う。

    時が流れ、今度は高校生になった清和が美沙子を恭介から救う。その際に、怒りを制御できないヤクザの本性が自分の中に潜んでいることを自覚した清和は、そのことを氷川に語るが氷川はそれが信じられない。ところが後半、藤堂の卑劣な策略に氷川が落ちて最大の危機にさらされたときに、彼は夜叉と化した清和を目の当たりにしてしまう。それでも氷川は清和が恐ろしいと思えない。悲しくてせつなくてたまらないが、愛しく思う気持ちは止まらない。氷川の前に愛の踏み絵は存在しないからだろう。

    藤堂の汚い策略に怒りを爆発させた眞鍋組は、藤堂との戦争を決意。必死に止めようとする氷川。ストーリーは、対決が表面化していく『龍の烈火、Dr.の憂愁』へ続く。

    評価:★★★★(物語がどんどん面白くなってきた)
    サメが前巻で「バイクの運転ならリキより自分が上」みたいなことを云っていて、もしかしたらバイクだけでなく、車の運転もサメのほうが上なのかな?…と思っていたら、冒頭でリキがウィンカーの出し間違いをして、それをショウに指摘されていた。そうか、サメが上手いうんぬんの前にリキは純粋に運転が下手なのか…。

    この巻で心底ビックリさせられたのは、竿師・桐嶋を救うために氷川が清和くんに云ったセリフ。マジたまげた。BL界では「攻が誰よりも大きい」がセオリー(らしい)、つまりこのシリーズなら清和くんが一番じゃないとダメ…って、いやそのあの…私もかなめさん同様、別にそうでなくてもいいと思うんだけどね、桐嶋のほうが大きいということよりも、氷川がそれを清和くんに云ったということにビックリさせられたよ!ホントなに云い出すかわかんない、BL基準外な受だよなあ。ちなみに大きいのを見たければ、オランダのアムステルダムにある某博物館へ行くと、世界一のソレを写真で見ることができます。映画「ブギーナイツ」を観てもいいでしょう…と、ジョセフィーヌ秋太夫さんが云ってました(…わわ、私じゃないですってば!)。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2009年9月12日に書いた感想を大幅改稿
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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

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