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    英田サキ 『DEADLOCK』 徳間書店 2006年 … サクっと読める刑務所モノ

    DEADLOCK (キャラ文庫)DEADLOCK (キャラ文庫)
    (2006/09/27)
    英田 サキ

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    同僚殺しの冤罪で、刑務所に収監された麻薬捜査官のユウト。監獄から出る手段はただひとつ、潜伏中のテロリストの正体を暴くこと!! 密命を帯びたユウトだが、端整な容貌と長身の持ち主でギャングも一目置く同房のディックは、クールな態度を崩さない。しかも「おまえは自分の容姿を自覚しろ」と突然キスされて…!? 囚人たちの欲望が渦巻くデッドエンドLOVE!!


    端正な描線で人気の絵師・高階佑の手による、美形男ふたりの監獄服マグショットという表紙からもわかるように、本作は刑務所モノ。栗本薫『終わりのないラブソング』(たいへん古くて申し訳ない)、木原音瀬『箱の中』など、本作以外にもBLレーベルの刑務所モノは数あるが、米国の刑務所が舞台というのは珍しい。海外ドラマ「プリズン・ブレイク」の影響か(ただしカラー口絵はヤンキー学園モノという感じ)。

    さまざまな男たちのエゴが渦巻く刑務所。自由を取り戻すため、孤立無援なユウト(日系米国人)の捜査が今密かに幕を開けた――というような海外刑務所モノ定番「狭い空間で圧迫していく密な人物相関」が描かれるのかと思っていたら、登場人物たちはみな信じられないくらい人が良く、人種がどーの言語がこーのといろいろ書かれているわりに日本人的な考え方をするので、米国を舞台にする必要性があるのか疑問に感じた。だが、青山出版社から出ているようなギャングスタ・ノベルをBLに求めるたりすること自体が無粋であり、誰もそんなリアルな設定を求めていないだろう。なので、潔く謝る、スマン!>英田兄貴

    ロード・ドッグス (Hiphop★novels)ロード・ドッグス (Hiphop★novels)
    (2005/08)
    クワン

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    無実の罪を晴らすため、FBI特別捜査官として潜入した刑務所でテロリスト探しをするユウトだが、極秘任務遂行中ながらムショ内アイドルになっていく過程がメインストーリーかと思うほどの見事な姫っぷり。元・麻薬捜査官という経歴を裏付ける捜査能力を感じさせてくれないのが正直ツラく、何度も「アナタ、ホントに大丈夫?」と思ってしまった。主人公はあまり有能とは云えない、キャラ相関を考えれば誰がテロリストは簡単にわかる…など、サスペンスを期待すると少々物足りない。だが逆に云えば、読者層を選びそうな刑務所モノなのに、テンポの良い文章とサクサク展開していくストーリーとキャラ立ちしている登場人物たちのおかげで、キャラ萌えしながらラブを楽しみたいという人にはオススメの間口広めな作品に仕上がっていると思う。

    ただ…個人的な好みで云えば、海外の刑務所なんてBLではあんまりお目にかかれない舞台設定なだけに、できれば1巻だけで出所/脱獄して欲しくなかった。ユウトが完膚なきまでに打ちのめされ(シャワー室での事件以外でも)、閉塞感と絶望感から這い上がっていく姿というものがもっと読みたかった。根性を見せて欲しかった。成長して欲しかった。

    冤罪で刑務所に放り込まれ、プライドはズタズタ。四面楚歌の中、自分以外いったいなにを、そしてだれを信じていいのか。そんな精神的にギリギリの状況下で出会ったユウトとディック。牽制しながら芽生えた恋はロマンス的というよりも運命的だ。互いに身上はどうしても明かせない、なぜならそれは――以下、次巻!…と、謎やサスペンス部分にも「引き」を出してくれたら、ラブだけでなく話全体にドラマティックさと厚みが出たと思うのだが。でも萌えを重視するならば、そこまで求めるのは贅沢なのかもしれない。

    評価:★★★☆(ポイントはちゃーんと押さえられている)
    云い方が悪くなるけど、こーゆー作品が売れるんだろうなあ。みんなが読みたい場面を増やすために、本当は残したかった文章を削ったかもしれず――1冊にまとめ上げるって作業はタイヘンなんだろうなあ。そう思うと、「こうしたらいいんじゃないか」「物足りない」なんて書くのは悪い気がする。

    ただ英田サキ作品で毎回思うのは、攻のキメ台詞が(個人的に)クリーンヒットしないこと。モタついてどーにもキマらない。ジョージ・クルーニーが云ったらピッタリくるような台詞、待ってますから!>英田兄貴

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。


    *2007年6月21日に書いた感想を加筆修正

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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

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