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    結城瑛朱 『僕に愛を語るな』 ムービック 2012年 … 堪えるばかりでなく

    僕に愛を語るな(ドルチェノベルズ)僕に愛を語るな(ドルチェノベルズ)
    (2012/08/25)
    結城 瑛朱

    商品詳細を見る

    西野と加納は元恋人同士だが、今はお友達だ。真面目な性格の西野は昔も今も、恋愛を軽く楽しむ加納に振り回されてばかり。平静を装っているが、西野は過去に捕らわれたまま、今の関係を割り切ることができないでいた。そんなある日、加納から今の恋人について相談された西野は、ささくれだった感情を抑えられず、試すようなことを口にしてしまう。「あんたと別れた後…おれ、誰ともしてないよ」この一言から二人の関係が歪み始めて…。
    一生に一度の恋をしたとき、人は本当の苦しみを知る―。


    9月に休刊したドルチェノベルズより8月にリリースされた作品。受・攻それぞれの一人称で語られる本編、その後の話1編と本編より前を描いた1編(ともに三人称)、計3編構成。再会モノ。

    恋愛が始まったばかりの頃は良かったんだけども、ふたりでいることがだんだんしんどくなったりして上手くいかず別れてしまった西野(受)と加納(攻)。ともに30代になった数年後地元で再会、本当は互いが気になっているのにモトサヤとはいかず、受は過去の清算ができていないまま、そして攻はそんな受との距離をはかりかねながら付き合う相手をとっかえひっかえしている。加納は優秀な美容師で、東京や海外で活躍後に地元へ戻って美容室を経営。西野は東京で加納と暮らした後、地元に戻ってレンタルDVDショップで働いている。ふたりの性格は反対で、西野は真面目、加納は身辺はいい加減なアーティスト気質…ということになっているが、ふたりとも考え方は違えど基本はややシニカルなタイプ、ただ仕事に向かう姿勢は真摯でありプロフェッショナルだったりする。

    そんなふたりが「この男は昔はこうだった、そして今のおれ/俺はこうだから~」と、過去と照らし合わせながら現在の心情と関係を一人称で語っていく。仕事の場面以外は延々とふたりの内面描写が続き、他のキャラクターが登場して事件が起こして荒らすこともない。最初の1編が一人称なこともあって、読み進めていくうちにふたりのキャラクターととことんお付き合いしているような感覚に陥る(秀香穂里さんの作風と似ているかもしれない)。キャラクターが好みであれば感情移入しやすいのだが、そうでなければ「あ~いつまで続くのかな」と思ってしまいがちで、私は次第にしんどくなり、読了までに大変時間がかかった。

    恋愛はどこまで相手のエゴに堪えられるか、という面がある。若い頃はそれに堪えられなかったり束縛だと感じたりする。だけれども大人になって恋愛や経験を重ねてようやく、堪えるばかりではなく――乗り切りだったりやり過ごしだったりもできるんだということを覚えていく。エゴを許すというより迎え入れる感覚だろうか?…それはある意味達観であって、加納以外を知らない西野、とっかえひっかえばかりで真面目な恋愛をしてこなかった加納は、その域に達せられるほど恋愛面で経験豊富だったとはいえない。なのでとても苦しんでいるように感じた。でもまあそういう恋愛だってあるだろう。

    秋の夜長に恋愛をじっくり考えて読んでみたい人にオススメの作品。

    評価:★★★(「冬偉」と書いて「トーイ」と読む、そしてそう呼ばせる攻。ちょっと痛い…80年代?)
    今こういう作品が好まれて、求められてるんだろうなあ。他に例を挙げるなら…凪良さんやひのもとさんあたり?…感情をすべからく積み上げていって物語が進むタイプの作品で、重くはないけれど軽くもない内容は時代に合っていると思います。残念ながら今の私にはさほど面白く感じなかったけれど、読めて良かったなと。いつか理解できる時が来るんじゃないかしら?

    受は「おれ」で攻は「俺」、でもタイトルには「僕」。「怖い」「恐い」ではなく「怕い」など、漢字の選択やルビの振り方に個性があり、「そのセンス大好き☆」という人と「…トンがってるなあ」という人で好みが分かれそう。文章にクセ…というかこだわりが強くても、受攻の心情にとことん付き合えるタイプの方、また当へっぽこブログにリンクしてくださってる方の8割はお好きそうな内容だと思われるので、オススメしておきます。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。
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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
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