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    矢城米花 『笑う丞相 鋭き刃の恋物語』 二見書房 2012年 … 控えめ矢城ファンタジー

    笑う丞相 鋭き刃の恋物語 (二見書房 シャレード文庫)笑う丞相 鋭き刃の恋物語 (二見書房 シャレード文庫)
    (2012/07/24)
    矢城 米花

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    「萌え傾向は、無理矢理、恥辱、下剋上、触手、眼鏡、制服、晒し者」(プロフィールより)という矢城米花の最新刊。「宰相」ではなく「丞相」、土地やキャラクターの名前、衣装などから、中華にシフトしたと思われる東洋ファンタジー。人間的で憎めない丞相×血気盛んな美貌の盗賊頭。

    普段あまり矢城さんの著作を手に取らないのだが、「王一さんの挿絵が見たい」という理由から、『偽る王子 運命の糸の恋物語』を買ってみようと密林を覗いてみたらば、「リョージョクばかり」と評価が低かったため断念。ならば本作はどうだろう、あらすじは(相変わらず)スゴい内容だが、世界観が同じなだけで前作の続編ではないようだし、この機会を逃したらもう「矢城&王一」コラボは読めないかもしれない、だったら読んでみようかな――というわけで、紀伊国屋さんにて購入。

    どこかの国の丞相・冬波は年若ながら政治手腕に富み、人柄も良くハンサムなためとても人気があるのだが、実は夜遊び好き、そして美形であれば男女問わないという好色家だ。ある日、その彼の目の前に盗賊を率いる活きのいい少年・火耶が現れた。10代と思しきこの少年はたいへんな美形で、興味を覚えた冬波はつい食指を伸ばし、事を楽しんでしまう。火耶はというと、色事無縁で育ったため初めての行為に息も絶え絶えで――という、よくある「始まりはゴーカンなやんちゃ受」である。

    攻の冬波は人間味のある面白い男として描かれており、余裕綽々で言葉巧みに火耶を抱く様は、憎っくきゴーカン魔というよりどこか水揚げ旦那的である。さらに火耶は盗賊団によってリンカーンされるという可哀そうな目に遭うのだが、そこはヤラれたままではいられない性分のやんちゃ受、しっかりと十二分に報復する。よって、ゴーカンリンカーンと続いても悲惨な印象は感じられない。

    体を奪われたことへの復讐のため火耶は冬波に近づく。冬波はそれを承知で火耶を傍に置く。自分を弄んだ男である冬波を次第に好きになっていく火耶。その心情変化や恋心の芽生えなどが読みどころといえる。正直云えば、テンプレートに沿ったお約束満載の展開で先行作品がいっぱいの既読感ありありの話なのだが、アクションありホロリありとエピソードが緩急よく綺麗に配置されていたし、攻の受に対する愛情は終始感じられたし、脇を固めるオッサンキャラ・興淵が魅力的で「また出てこないかな~」とついうっかり期待してしまったし、挿絵がとんでもなく素晴らしかったりしたので、存外楽しめるエンタメ度の高い作品になっていた。

    惜しむらくは、せっかく矢城さんの作品なのだから、妖しげな魔術はもっと妖しげに、蔦が絡むのならば触手にと、トンデモぶりをゴージャスにして欲しかった、ということか。できないというより、間口を広めるべく抑えた、という感じ。なので矢城ファンにはやや物足りないかもしれない。

    キャラに悲壮感がなく、冬波と火耶のやりとりは楽しくて時折りプッと吹き出してしまったりするので、「矢城さんの作品…リョージョクだのリンカーンだの触手だのって書かれていて毎回引くんだけど…でもちょっと読んでみたい」という人(私含む)にはオススメの、エロエロすぎない(矢城比で)読みやすい作品。

    評価:★★★☆(本編は★★★、あんまりにも挿絵が素晴らしかったので☆追加)
    これならよっぽど六青みつみ作品のほうが、悲惨なゴーカンリンカーンだなあと思った次第。
    それにしても…なんてこったい、おーまいごーしゅ! 挿絵のクオリティが高すぎ!
    素晴らしい!やっぱ餅は餅屋とゆーか、中国系の方による挿絵は格別、とくに衣装においてはセンス・オブ・ワンダーが違うわー、感動!…この作品と相性いいなあ…そりゃそーだ、昨年リブレから出た王さんのコミックス『王太子は無慈悲に奪われる』 に出てくるキャラと世界観がどことなく似てるもの(同じではない)。あのコミックスは出版が若干古めの作品なので描き慣れ感がないけれど、この作品は違ってしっくりしている。超エロい線だったり構図だったり表情だったりするのに、美麗さがまったく損なわれてない。カラー、モノクロどちらも素晴らしい。絵付けは東洋ファンタジー(エロはややハイグレード系)に限定されるかもしれないが、このままずっと日本でも絵師として活躍して欲しいなあ。幻冬舎のリンクスロマンスあたり、どうですか?

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
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    BL感想&レビューブログです。

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