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    日高ショーコ 『憂鬱な朝 4』 徳間書店 2012年 … クライマックスへ

    憂鬱な朝 4 (キャラコミックス)憂鬱な朝 4 (キャラコミックス)
    (2012/07/25)
    日高 ショーコ

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    桂木の出生の秘密が知れることとなり、暁人は久世家の陞爵と桂木への叙爵のために住処を借り、桂木は外から暁人を支えるべく久世家を出て石崎家へ入り、ふたりは距離を置き始めた。ところが暁人の親友・総一郎の「お前のせいで久世は愚行を」という言葉から、桂木は暁人がなにか企んでいると察知、暁人のもとへと向かう。不意に訪れた桂木に暁人は「もうお前しか好きになれないんだ」と真情を吐露、そして叙爵への驚くべき画策を告げる。そんな暁人に対し桂木は――華族という特権階級の檻に囚われ、時代の波に翻弄される若き子爵と家令の恋の行方を描いたクラシカルロマン第4巻。

    久世家先々代の庶子という事実により、桂木が久世家を叙爵できる可能性が高くなり、暁人は脅しに近い形で陞爵とともにそれを実現しようとする。あの心やさしい暁人が森山侯爵を脅迫――なぜそれほどまでに?…暁人の心の中は「桂木のためにできること」=「陞爵と叙爵」で占められているから。でも本当に欲しいのはたったひとつ、桂木からの愛だけ。

    「久世家のために」といいながら、いずれは自分が取って代わろうと考えていた桂木。そんな彼が暁人から真摯な愛をぶつけられて、少しずつ変わっていく。自分には居場所がない――本当に?…与えてくれる人がいるのに、気づいていない、いや気づかないふりをしていただけではないのか?…桂木は決意を新たにする。

    いったん離れたことによって、相手がよく見えたのだと思う。また、暁人の友人・総一郎の存在が大きく、1巻から続く彼の口添えによってふたりの距離はずいぶんと縮まったように思える。

    建て前と本音の使い分けたり、云いたいことがあってもぐっと堪えたり、目線だったり態度だったりで場が語られる――この作品では、そういったとても日本人的なキャラによる「察してもらう」手法で物語が展開していくので、キャラクターの感情が爆発するような場面では、目も心も強く引きつけられる。そして感情がぶつかり合った後に訪れるラブシーンは、行為も内面も激しいはずなのにどこか静寂さがあり、ふたりの心と体の裏腹さ、そうならざるを得ないという状況の複雑さがドラマチックかつリアルに伝わってきて、読んでいるととてもせつなくなる。そのまま次巻へと続くのかな?とぼんやり思っていたら――最後の最後、大クライマックスが待っていた。桂木が暁人に向けて云った言葉、伝えた思い――「あの桂木が!」…これで胸が熱くならないわけがない。

    久世家の次代当主を巡って新たな展開、それは?――5巻へ。

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(…やっぱ一度「引いて」正解でしたね☆)
    総一郎くんは読み手の代弁者かな。そして彼が出てくると、ホント清々しい気持ちになります…顔はけっこうイカツイけど。

    単行本化にあたり、日高さんは「描き直しページが多くて~」というコメントをよくされます。雑誌掲載を追っかけていない私には「???」だったんですけど、たまたま4巻収録の「scene.16」を雑誌掲載時に読みまして、ちょっと驚きました。そんな読んでいられないほどヒドイわけじゃないんですよ、それなのにここまで描き直しする…とゆーか、描き込んでくるなんて!…なんだかちょっとお得な気分☆

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

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    日高ショーコ 『憂鬱な朝 3』 徳間書店 2011年 … 血は絡みつく蔦のように

    憂鬱な朝 3 (キャラコミックス)憂鬱な朝 3 (キャラコミックス)
    (2011/05/25)
    日高 ショーコ

    商品詳細を見る

    桂木と一緒にいたい一心で、陞爵を睨んだ婚約や石橋家への後見要請など、精力的に動き出した暁人。だが石橋家には「後見の代わりに桂木が欲しい」と云われてしまう。桂木は、自分に黙って暁人がなにか策略をめぐらしていると感じながらも、日に日に変わっていく暁人を見て複雑な気持ちになる。そんなある日、久世家の元書生・雨宮がある事実をつきとめる。それは桂木の出生に関するものであり、先代・暁直が桂木を後継者から外す決断に至った驚きの真実だった――華族という特権階級の檻に囚われ、時代の波に翻弄される若き子爵と家令の恋の行方を描いたクラシカルロマン第3巻。

    自分の気持ちを殺してでも…と覚悟を決めた暁人がまるで桂木のように根回をし、久世家の陞爵へと活発に動き出したところから始まるこの第3巻は、過去2巻以上に桂木の心情や本音が描かれている。

    桂木家では疎んじられた三男、先代に求められて久世家に入っても後継者候補から家令へ。結局「血」によって翻弄され続けた桂木。封建的で「血」や「家格」にこだわり続けた先代、それらにまったくこだわらず素直で優しい暁人――正反対な人となりなので、ふたりにつかえた桂木の気持ちはさらに複雑である。

    先代に認められたい、久世家に居場所が欲しいと願った桂木と、桂木に認められたい、そのためならなんでもしようとする暁人は実は似ていて、読んでいるとオーバーラップしてくる。ともに孤独であり、欲しているのは愛という名の心の居場所、でもそれは家のために殉じなければならない。ふたりだけの問題ではないからだ。

    自分を殺さなければならないと零しながら、激しく桂木を求める暁人がとてもせつない。桂木もかなり揺れている。だけれどもいっときの激情で流されるわけにはいかない桂木は、別の場所と手段から暁人を支えようと行動に移す。暁人もまた「すべては桂木に」と画策しだすが、それは誰にとっても驚きの展開だった――4巻へ。

    「僕の一部が死んでも 残りがお前の傍にあればいいんだ」

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(情熱的な年下攻作品でもありますね)
    先々代・直弥おじーちゃん → 桂木に生き写しで美人芸妓だった桂木ママにお手つき → お妾さんへ
    先代・暁直パパ → 幼い桂木に「私はお前に惹かれたのだよ」 → 養子にスカウト
    現当主・暁人 → 10歳近い年の差もなんのその!「お前が好きだ…本当に好きだよ」 → 押し倒し
    久世家直系男子は、三代続いてどうしようもなく桂木が好みらしい。DNAに桂木スキー遺伝子が組み込まれているとみた。やはり「血」は大切だな!

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

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    日高ショーコ 『憂鬱な朝 2』 徳間書店 2010年 … 思惑交錯

    憂鬱な朝 2 (キャラコミックス)憂鬱な朝 2 (キャラコミックス)
    (2010/06/25)
    日高 ショーコ

    商品詳細を見る

    桂木以外は目に入らず「爵位はどうでもいい、だた一緒にいたいだけ」という云う暁人に対し、「一生涯あなたに仕えるかわり、久世家に伯爵以上の地位を」と取引を申し出た桂木。桂木をそばに置いておきたい一心の暁人はその取引に応じるが、どんなに体を重ねても桂木の冷たい態度は変わらないまま。苛立ち悩む暁人。だがそんなふたりをめぐって、桂木長兄、久世家の元書生・雨宮、森山侯爵夫人たちの思惑も絡み出し、次第に複雑な問題になっていく。そして暁人に伯爵家令嬢との縁談が持ち上がり――華族という特権階級の檻に囚われ、時代の波に翻弄される若き子爵と家令の恋の行方を描いたクラシカルロマン第2巻。

    思いが伝わらない、伝えても応えてくれない――激情から桂木を抱いてしまった暁人。直向さゆえの行為だったが、桂木はやはり変わらない。だがあくまでもそれは表面上、暁人の前だからであって、内心では変化が起きている。桂木の過去――先代・暁直とエピソードが時折り挿入され、決して表には出ない/出さない桂木の本音がともに語られていき、桂木の胸の内が少しずつ見えてくるのだが…まだまだ謎は多い。

    桂木の回顧に出てくる先代は桂木に対して厳しく、視線も冷ややかだ。気立てが良く優しい暁人とは正反対、外見がよく似ているだけにとても皮肉に感じる。だが暁人はどんなに抱いても(表面上)変わらない桂木に対し「自分が変わらないとだめなのだ」と考え始める。桂木もまた暁人の変化に気づいていく。熱い思いを自分にぶつけてきたかと思えば、華族が一堂に会す場では愛想よく子爵然と立ち振舞ったり――自分が育てたとはいえ、その変化に桂木の心中は複雑だろう。

    そんなふたりの前に突然現れた久世家の元書生・雨宮。その真意はわからないが、桂木に対して心酔に近い思いを持っていることは確かである。桂木長兄の思惑もわからない。なぜ弟である桂木を蔑むのか――なにやら深い事情があるようで、これもまた次巻以降に答えが持ち越された。

    どんどん変わっていく暁人、すべては桂木を思うがゆえ。それでも本来の彼が持つ真っ直ぐな気性が垣間見える場面があり、読んでいて切ない気持ちになった。こんなに思っているのになぜ桂木に伝わらない?――そのもどかしさ。決して変わっていないわけではない桂木だが、若い暁人の目にはそう映らない。

    華族の中でも成功している久世家。その中心にいる暁人と桂木をめぐって他者の思惑が交錯する中、暁人に縁談が持ち上がる。桂木と一緒にいたい、そのためには陞爵が必要――暁人はどう決断するのか。3巻へ。

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(盛り上がってきましたね)
    暁人、なんて可愛いんだ~♪一緒に夜会へ行きたいからと、桂木が断れないような招待状を周到に用意、さらに桂木の礼服まで新調し「せっかく誂えたんだ着てみろよ」「僕のと作りは同じだ」って…バンバンバンバンッ!(机を叩く自前SE)大好きな桂木とお揃いね♪きゃっ☆ そーいえば、暁人演じた羽多野さんも「なにをおいてもこの子(暁人)いい子ですから。僕、森山夫人との会話で『一緒に来たかったんだ』って、素直に云っちゃうところが可愛いなーって思いました」だって!…頑張れ、暁人!押してダメなら引いてみろ!援護射撃なら任せとけ!これぞクラシカル年下攻ロマン! …は?

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
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    日高ショーコ 『憂鬱な朝 1』 徳間書店 2009年 … 馳せる思いはせつなくて

    憂鬱な朝 (1)(キャラコミックス)憂鬱な朝 (1)(キャラコミックス)
    (2009/03/25)
    日高 ショーコ

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    鎌倉別邸で病弱な母と暮らしていた久世子爵の嫡男・暁人。だが両親を相次いで亡くし、10歳にして子爵当主を継ぐことになった。なにもわからないまま東京の本邸へと向うと、そこには美貌の若き家令・桂木がいた。亡くなった先代から「桂木のいう通りにしろ」といわれていた暁人だったが、いつも厳しく冷ややかな桂木は決して心の内を暁人に見せることはなかった。やがて暁人は高等科に進学。だがふたりの距離は縮まらず、桂木に心惹かれている暁人は耐えられなくなって――華族という特権階級の檻に囚われ、時代の波に翻弄される若き子爵と家令の恋の行方を描いたクラシカルロマン第1巻。

    日高ショーコ初の時代物ロマンス。徳間書店「Chara SELECTION」で現在好評連載中。

    主人公は久世子爵家の正統な後継者である暁人。幼いころ先代である父親と離れて過ごしたせいか、身分や家格を気にしない真っ直ぐな性格の持ち主であり、生き馬の目を抜くような華族社会では珍しい存在として描かれている。暁人の教育係である桂木は、家令という身分でありながら暁人が成人するまで久世家の実権をほぼ握り、暁人と久世家を守るため、延いては爵位を上げるため、さまざまな顔を使い分けながら華族社会を掌握、久世家を成功に導いているやり手の男。そんなふたりの対比が素晴らしい。暁人の素直な性格、桂木に認められたいと願いながらもその思いが通じないもどかしさが丁寧に描かれているため、桂木の「なぜそこまで?」な冷徹ぶりが結果的に大フィーチャー、幕が上がったばかりの1巻だというのに、暁人を全面的に応援したくなる。まだ少年といっていい暁人が桂木に拒否されて悩む姿は、読んでいて何度もせつなくなる。

    物語が後半に入ると、華族社会に生きる人間のさまざまな思惑が描かれ、それと同時に暁人にも変化が出始める。子爵家当主である暁人は、いつまでも子どもではいられない。誰よりも早く大人の階段を上らねばならない。そして桂木との関係を決定づけていくある事件――「(思いの)すべては桂木に」という暁人の直向さゆえに起きたのだが、決して報われるものではなかった。だがそれによって桂木にも変化が見られるようになる。

    少しずつ見え始めた桂木の本心――はたしてそれは?

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(…素晴らしいですね)
    日高さんは最初から飛ばすことはなく、静かに始まってだんだん盛り上がっていく作風をお持ちなので、1巻は「まだ始まったばかり」という印象。それでも十二分に引き込まれます。そして日高さんの作品にはよく家具が出てきます。そういうお仕事をされていたのかしら?…椅子にいたっては(こだわりというより)深い愛情が感じられます。日高作品において、椅子はキャラの心情やストーリーを暗示させるアイテムになっているように思えるのです。たとえば蔦が絡まっていたり、一人掛けは重厚なカラーとデザインだったり。

    またリサーチのよさも素晴らしく、当時の風俗や思想、言葉、背景をさりげなく描いているところがいいですね。専門家や明治時代に明るい方が読めば、完璧ではないのかもしれません。それでもまったく構わないというか、これ見よがしだったりマニア過ぎたりしない、でもちゃんと調べてあるとわかるところが好感度高いというか。服装ひとつとってもそれが強く感じられます(描いていないだけで、ソックスサスペンダーも付けていると思う)。読んでいると明治時代に生きた人々が愛しく思えてきて、自然にその時代へと意識が飛んでいくのです。「ああ、私はやっぱり日本人ね」と自らのアイデンティティを呼び起こされるのは(ナショナリズムではなく)、それだけ作品に力があるからで――それをBLで感じるだなんて、素晴らしいことだと思いませんか?


    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
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    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

    >>ネタバレ上等<<
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