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    BL小説MYベスト10作品 2011

    …とゆーわけで、「BL小説MYベスト10作品 2011」です。

    2011年に発行・販売された(復刊は対象外)BL小説の中で、「これ、大ツボ!面白かったなあ〜♪」と思った作品を挙げてみようという、いわゆる「私のベスト10」企画モノです。

    昨年何作品読んだか、まったくカウントしてない…とゆーか、基本的にするタイプの人間ではナイため、その数は把握しきれてません。手に取ったタイトルは大変少ないと思います。でも数を把握しきれてない、少なかったぶん、面白かったと思える作品が浮かび上がってくるもので、私はそれで充分満足しております(…と、コミック部門発表のときと同じ前書きを、いちおう書いてみる)。

    では、いってみましょー!

    ■1位
    アクアリウムの中の恋 (ビーボーイノベルズ)アクアリウムの中の恋 (ビーボーイノベルズ)
    (2011/05)
    吉田 ナツ

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    2011年の個人的収穫が吉田ナツさんだったので、これを1位に。この作品を読んだことのある方の中でも「いい作品だけど、ベスト1だと評価するほどじゃない」とおっしゃる方は多いんじゃないかと思います。正直いえば、私自身もこの作品より出来が良かったり面白かったりする作品は他にあると感じています。ただその…足りないものが多くても、私の心は完全に奪われてしまったのです。アクアリウムを眺めるふたりに介在する意識と身体の不均衡さの描写がとにかく素晴らしく、読み終えた後、ゆっくりと静かに感動が訪れてきます。意識や身体が子どもから大人へ変わっていく時期は誰にでもありますが、その過程は人生において劇的でファンファーレが鳴り響くような華やかさがあったでしょうか?…必ずしもそうではない、いつの間にか階段を上っていて「あ、これかも?」と気付く――そんな感じだったように思えます。ある程度上ってしまった自分だからこそ、下のほうでバランス崩しているふたりが愛しく感じたのかもしれません。また時間は淡々と流れていくのに、描かれる心情は内なる情熱を孕んでいて実にドラマティック、ラブシーンは品のあるエロティシズムに溢れていました。あくまでも「エロティシズム」であり、「エロい」「いやらしい」という言葉は使いたくありません。

    以上の私の見解を踏まえて「好みかも?」と興味を持ち、あらすじを読んで「これは地雷ではないな」と確認された方は、ぜひご一読ください。とても静かな作品なので、そういう方にのみオススメできます(感想は→こちら)。

    ■2位
    交渉人は愛される (SHYノベルス)交渉人は愛される (SHYノベルス)
    (2011/07/29)
    榎田 尤利

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    「出来が良かったり面白かったりする作品」の筆頭がこれ…ってか、同業者が読んだら「エダさん上手すぎてヘコむ」と云いそうです。ちなみに私は「洗練されすぎにもホドがある!」と云いたくなります(だから2位)。

    なんでも論破できそう解決できそうな芽吹なのに、いいヤツすぎてドタバタやってるというか…もしかしたらキヨのほうが有能かもしれないけれど、下町人情べらんめえ(でもヘタレ気味)男でなかったら完全無欠のエリート弁護士やってるだろうし、そんな芽吹だからこそこのシリーズが面白いわけであって、主人公を「交渉人」に据えた理由がよくわかるなあと思いました。芽吹みたいな性格だと疲れるだろうなー、だから相手が兵頭でちょうどいいや、とも。

    ピリオドはいったん打たれましたが、「帰ってきた交渉人」ベタな続編を待ってます☆

    ■3位
    薔薇の守護 (SHYノベルス278)薔薇の守護 (SHYノベルス278)
    (2011/12/24)
    夜光 花

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    薔薇の大風呂敷を広げて5冊目…竹内まりや状態が続くも、さて?

    いいペースで発売しているし、ストーリーに緩急はあるし、キャラの描き分けは最高だし、敵愾心メラメラな三角関係になりながら三人ご一緒で~という夜光作品らしさもしっかりある。いい感じ。あと問題の挿絵は…今の奈良画伯の絵ならこのシリーズが最も映えるでしょうから、もはや見守るだけです。

    ■4位
    深呼吸 (ビーボーイノベルズ)深呼吸 (ビーボーイノベルズ)
    (2011/11)
    木原 音瀬

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    どんだけ痛いかと身構えて読み出したのに「俺流で生きてきた男が初めて恋に落ち、その気持ちを悟る」までを描いた、よくある設定によくある普遍的な内容の作品でした。ただ終わり方や主人公に恥ずかしい思いをさせるあたりがなんとも意地悪で。「ああ、コノハーラだなあ(わはは♪)」。読み手は誰もが主人公が恋をしているとわかってるだろうけど主人公にとってはそうでもなく、ようやっと自覚したら…というその瞬間が最大の読みどころかなと思います。恋をしているときは相手によりよく見せようと努力しますが、そのほとんどが失敗、後悔したり恥ずかしくなったりするものです。木原作品はその描写が秀逸で、一緒になってうんうんと共感したり、ついプっと笑ってしまったり、なんだコイツ?とムっとしたり…どの作品も読ませるなあと感じ入ります。

    話に普遍性を強く感じたのは、あじみねさんという絵師効果もあると思います。適度に落ちついていてリアル、言葉は悪いけど新しさやイマドキさがない――その可もなく不可もなく具合(ホメてます)が、内容とマッチしていてさらに和らいだ感じになったのではないでしょうか?

    ■5位
    シュガーギルド (ディアプラス文庫)シュガーギルド (ディアプラス文庫)
    (2011/10/08)
    一穂 ミチ

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    このお話のキャラクターが一穂作品の中でもっとも好きです。一穂さん、いっそのことホリーノベルスあたりの読者層を意識して、こういう感じの作品を書いたらどうでしょう?…もうそろそろ新しい読者を求めて欲しい、デビューから見守ってきた一読者として真剣に願っています(感想は→こちら)。

    ■6位
    造花の解体 (Holly NOVELS)造花の解体 (Holly NOVELS)
    (2011/09/17)
    西条 公威

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    今の私が『孕み猫』読んでもアウト!なのは間違いないでしょうし、いまだトラウマを抱えてたりしますが、そうきたか、だったら参ったなあ…ということで6位。BL界における「アングラ」という言葉は西条さんのためにあるというか、もう代名詞的存在かつ伝説の人なので、よく陽の当たる世界に帰ってきたなあ…あれからもう10年くらい経つのかと、遠い目にもなってしまいました。三島由紀夫の本名(公威)をPNに持つアングラ作家の新刊がホリーから出るか、そうだよね、このレーベルくらいしかないでしょうよ…。

    表題作はスペル・イー・エスシリーズ。アングラ写真家の話で、彼のまわりにさまざまな人物たちが現れます。すさまじい形の愛をさらっと見せつけていくので、読んでいると「彼らは狂ってる!」と思うのですが、その愛は同時にとても純なものといえ、どこか羨ましかったりします。それをエスはなんら変わらず受け止め、平常心で見つめている――「西条作品と読むと心が浄化される」と一部の人に云われる所以はそこにあると思います。

    表題作を読んでも古さはありません。作品に時間や時代という概念が感じられないからです。時を止めたようにずっとこのままの世界だろなあ、それで正解なんだよね、という感じ。そして漂う不思議な無国籍感。海外SF小説を読む方なら、どちらもご理解頂けるかと。短編「愛されたい。ただ、愛されたい」は、愛を求めて心が張り裂けそうになる、そんな叫びが聞こえてきます。単色ではなくグラデーションでいたい、その気持ち――私も年齢を重ねてきた身なのでよくわかります。あの頃と一緒ではない今の自分、そんな簡単に「なになに色」と云えるような色じゃないですよ、たしかにその通り。

    私はファンではないし、次回作を読むかどうかはわからないけれど…こういう作品を書いてくる真の意味でのアングラ作家を否定したくありません。待ってた人だって確実に存在すると思います。ただし、興味本位で読むならそのグロさとエグさだけで痛恨のトラウマを食らうかもしれません、と脅しておきます。グロの向こう側には清冽な愛があると感じられる人向けです。

    ■7~10位
    該当なし。


    ■総括&「2011年のコレ!」
    2011年はそうですね…あんまり読みたいと思う作品がなく、手に取った数も比例して減りました。なので上記6冊以外で「これは!」と思える作品がなく、10位まで書けませんでした。

    個人的に低調だった2011年でしたが、ホットだったのは凪良ゆうさん。
    大ブレイクの年だったのではないでしょうか?

    なので「コレ!」は――
    積木の恋 (プラチナ文庫)積木の恋 (プラチナ文庫)
    (2011/10/11)
    凪良 ゆう

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    私は…作品を深く語れないのです(いちおう読んでいます)、すみません。

    2012年はどの作家がブレイクするでしょうか?…楽しみにしたいと思います。

    ――以上、「BL小説MYベスト10作品 2011」でした♪
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    BL小説MYベスト10作品 2010

    …とゆーわけで、「BL小説MYベスト10作品 2010」です。

    2010年に発行・販売された(復刊は対象外)BL小説の中で、「これ、大ツボ!面白かったなあ〜♪」と思った作品を挙げてみようという、いわゆる「私のベスト10」企画モノです。

    昨年何作品読んだか、まったくカウントしてない…とゆーか、基本的にするタイプの人間ではナイため、その数は把握しきれてません。手に取ったタイトルは大変少ないと思います。でも数を把握しきれてない、少なかったぶん、面白かったと思える作品が浮かび上がってくるもので、私はそれで充分満足しております(…と、コミック部門発表のときと同じ前書きを、いちおう書いてみる)。

    では、いってみましょー!

    ■1位
    世界の果てで待っていて 〜嘘とナイフ〜 (SHYノベルス)世界の果てで待っていて 〜嘘とナイフ〜 (SHYノベルス)
    (2010/10/22)
    高遠 琉加

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    5年ぶりに出た続編。ハードボイルド風ミステリー。ぶっちぎりの1位です(感想は後日アップする予定のため省略)。前作を読んだとき、気持ちはとてもわかるけど、中学生は本来親の庇護下に置かれる立場だと思えば、あのオチに引っかかりを感じる読み手はけっこういるだろうなあ、オジサンの統一郎を可愛く「探偵さん」と呼ぶのはローティーンが一番「らしい」し、そんな「オジサンと子ども」を書きたかったんだろうけど、彼がもし成年に達していれば、オチで引っかかることはなーんらなかったのになあ、統一郎が中学生の依頼を受ける動機も弱いしなあ…と思ってしまい、「話はとても面白く、誰しもが魅力的な攻と受だと感じるだろうに、ミステリーパートで損してる」惜しい出来の作品だと評したんですけど――続編は違った!ラブ、ミステリー、ともに素晴らしい!…前作のミステリーパートのオチが引っかかって、続編を読む気にならないという方。それはもったいない。続編、とても面白いですよ!

    ハードボイルド系BLでよく見かける無理な気取りはありません。それどころかレトリックが心地良いです。BLでこんな綺麗にレトリックがキマってる作品は初めて読んだかも…というわけで、1位に。『エス』っぽいと云われているって…え?そうなの?…ポジションならアイダさんよりどんぐり先生系じゃないかしら?

    ■2位
    交渉人は諦めない (SHYノベルス)交渉人は諦めない (SHYノベルス)
    (2010/07/29)
    榎田 尤利

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    昨年出た『嵌められる』『諦めない』『スウィーパーはときどき笑う』の計3冊を、「交渉人シリーズ」として2位に(画像は代表して『諦めない』)。昨年はエダさんの年、「交渉人」の年だったかな〜?という印象を持っています。

    スピンオフの感想は後日書く予定でいます。

    ■3位
    恋で花実は咲くのです (新書館ディアプラス文庫)恋で花実は咲くのです (新書館ディアプラス文庫)
    (2010/10/09)
    久我 有加

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    芸人を辞めて実家に戻り、漫才に対しての熱い思いを封印してきた主人公の前に、元マネージャーが突然現れ「漫才のネタを提供する作家としてカムバックしてほしい」と云ってきて――という、一度は夢破れた元芸人と、仕事は厳しいのにプライベートではヘタレな元マネージャーによる「芸の道!」モノ。

    特別お笑いが好きなわけではなく、またBL読んでホロリとくることはあっても泣くことはほとんどないこの私めが、不覚にも泣いてしまったくらい、主人公のネタ漫才に対する思いの深さに感動してしまいました。芸人が好き、漫才が好き…そんな熱い思いがひしひしと伝わってくる1本です。正直、ラブ面はちょっと弱いかな…と思うけれど、いろんな芸人やその周辺の人が出てきて楽しいし、それぞれが持つ芸へのこだわり、彼らを巡る人間関係と心理描写がよく書けていてとても面白く…読んでいて胸が熱くなりました。素晴らしかったです。未読の方はぜひ。

    ■4位
    薔薇の刻印 (SHYノベルス250)薔薇の刻印 (SHYノベルス250)
    (2010/08/30)
    夜光 花

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    薔薇騎士と書いて「ローズナイト」と読む!なモンスター退治モノ。夜光さんお得意のアーバンファンタジー。
    スケールが大きい話を書いて風呂敷を広げたとしても、夜光さんはしっかり畳むことができる作家だと私は絶大な信頼を抱いています。なにをどこまで隠して、いつ真実を明かすのか。伏線の張り方が上手く、掛けた謎を解くタイミングも絶妙――つまり構成力があるので、読み手の「いったいどうなるの?」という緊張は持続したまま、長編になってもイライラさせられることがないのです(これ大事)。ただ展開がなんとなくゲームっぽいのは否めないし、やや仰々しいキャラの言動は「セリフ喋ってます」感があるので、作風を含めて好みは分かれるでしょうが、私はそれも個性のひとつかなと思っています。今年出ると思われる続編が楽しみです。でもたまにはフツーの設定の作品を読んでみたかったり…。

    ■5位
    この佳き日に (二見書房 シャレード文庫)この佳き日に (二見書房 シャレード文庫)
    (2010/09/22)
    海野 幸

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    結婚サギに遭ってしまった酒屋(個人店舗ではなく家族経営企業)のボンが、ドタバタやってるうちにウェディングプランナーに恋をしてしまい…という話。

    昨年、シャレ文庫から海野さんの作品が2冊(本作と『黒衣の税理士』)出ました。ともに面白い作品だったので、年間ベストにどちらを入れようかと悩み――より笑わせてくれたことから、こちらを選択。

    育ちが良くて流されがちな性格のため、女に騙されたり実姉からムチャ振りされたりと、散々な目に遭う主人公(攻)。けっこう悲惨なのに読んでいて楽しく感じるのは、海野さん独特のとぼけた表現のせい。一見クールビューティな受と思いがけず体を繋いでしまった攻が、あせってバタつく姿は大変面白かったです。クールだと思っていた受が実は……とわかったあたりから話がややテンプレに展開しますが、それはそれで安心感があっていいかなと。海野さんの作品を読むと、私はいつも「人間っていろんな人がいるからこそ面白いんだよなあ」と心が暖かくなります。今のところ著作はシャレ系のみなのか…もし私が編集だったら、自分とこのレーベルに海野さんをぜひ招き入れたいですね。

    ■6〜10位
    該当ナシ。
    いろいろ読みましたが、印象に残るほど面白いと感じた作品は10本ありませんでした。ちなみに4位と5位の間にはかなり差があります。4位までは★5ツ、5位は★4ツです。

    ■2010年の総括&「コレ!」
    2010年のBLノベル界はそうだなあ…エダさんの「交渉人」フィーバーだったような気がします。あとは花丸とディアプラス系の作家さんが目立ってたこと、そして凪良さんがブレイクしたな、コノハーラさん新作出ずじまいじゃんよー(ちょっとー!吸血鬼の続きはー!?)…という印象を受けた年でした。レーベル的にはSHYが面白かったです。個人的な話をすると、昨年は夏以降からいわゆる執着モノが完全に読めなくなりまして。重くドロドロした恋愛を避けるようになってしまいました。重い作品がキライなのではなく、軽い作品を求めていたわけでもなく、ただ内容が重くても「重い」と感じない無重力作品を読みたかったんでしょう。その傾向が今回の順位にもよく表れていると思います。

    そんな私が2010年の「コレ!」を選ぶならば。

    愛の巣へ落ちろ! (白泉社花丸文庫)愛の巣へ落ちろ! (白泉社花丸文庫)
    (2010/04/20)
    樋口 美沙緒

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    ヒエラルキー下層にいる少年(でも実は希少種)がハイソな学園に入学、いじめに屈せず格差を跳ね除け、最上層に属する高スペックな俺様先輩を勝ち取る…どころか、先輩のほうがメロメロになってしまいましたよーという、半擬人化+格差ラブ学園モノ。なんとなく「セクピス」虫版+花男という気がしないでもないけれど、昨年ブレイクした作家が流行りの擬人化モノを書いて話題になった(そして売れた)、ということで2010年を代表する「コレ!」に選択。樋口さんは今年も注目作家のひとりになるでしょう。

    ――以上、「BL小説MYベスト10作品 2010」でした♪

    (以下、『愛の巣へ落ちろ!』の簡単な感想です。ご興味のある方はどうぞ〜)

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    BL小説MYベスト10作品 2009

    …とゆーわけで、「BL小説MYベスト10作品 2009」です。

    2009年に発行・販売されたBL小説の中で、「これ、大ツボ!面白かったなあ〜♪」と思った作品を挙げてみようという、いわゆる「私のベスト10」企画モノです(復刊は対象外にしました)。

    昨年何作品読んだか、まったくカウントしてない…とゆーか、基本的にするタイプの人間ではナイため、その数は把握しきれてません。手に取ったタイトルは大変少ないと思います。でも数を把握しきれてない、少なかったぶん、面白かったと思える作品が浮かび上がってくるもので、私はそれで充分満足しております(…と、コミック部門発表のときと同じ前書きを、いちおう書いてみる)。

    では、いってみましょー!

    ■1位
    はつ恋 (ビーボーイノベルズ)はつ恋 (ビーボーイノベルズ)
    (2009/10)
    榎田 尤利

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    挫折を知らない傲慢な男が初めて恋のよろこびを知っていく…という話としてはごくフツーなんだけども、エダさんのBL界一といえる巧みな一人称をベースに、タイムスリップと学園モノ要素まで入れ、1本にまとめ上げたということで、作家の実力をしみじみと思い知らされた作品。『交渉人3』とどっち選ぼうかと悩み、シリーズではない単発モノであることから、こちらを1位に。展開急ぎすぎ?タイムスリップがいいかげん?タイムパラドックスはどうなる?…「タイムスリップに原理や正確さを求めるな」と、ジェイムズ・マンゴールドも云っとる!意識的に始まって終わるもんじゃないんだから、そんな細かいことはいいの。それよりもなによりも、「31歳、38歳、17歳、24歳」という年齢通りの経験値や職業に基づくキャラの行動や言動が、私の心を捉えて離さなかったです。そうだった、そうなんだよ――読んでいて何度そう思ったか。完全にツボをつかれました。

    ■2位
    最果ての空 (shyノベルズ)最果ての空 (shyノベルズ)
    (2009/12/09)
    英田 サキ

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    いろいろご意見はあると思いますが、篠塚さんは一生あのままかもしれないし、時が流れてなにかが変わり、誰かと一緒になるかもしれないし…それを決めるのは篠塚さん自身であってほかの誰でもない、ただ今の彼が選択したのは「この道程をひとりでゆく」ということ。人生を振り返る最期のときが来たら、彼はなにを思うのだろう?そう思わせる篠塚英之という男の――人間性と生き様について描かれていた作品…かな。

    ■3位
    愛しているにもほどがある  (二見シャレード文庫 な 2-9)愛しているにもほどがある (二見シャレード文庫 な 2-9)
    (2009/04/23)
    中原 一也

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    「2009年に大ブレイクした作家」その1、中原さん。この作品に関してはテキスト2つにしたくらい語りまくったので、ここで書くことはほとんど残っていないです、はい。小冊子がバカバカしくて良かったな~♪2009年個人的小冊子大賞作品

    ★左が箔押し表紙…だけどアホネタ全開、右が「団地妻と淫乱教師」イラストページ(画像は荒くしました)
    Image167.jpg Image168.jpg

    ■4位
    交渉人は振り返る (SHYノベルス)交渉人は振り返る (SHYノベルス)
    (2009/05/28)
    榎田 尤利

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    3巻目にしてエダさんらしいセンシティブさが出たな〜と思った『交渉人』。感想で語ったのであまり書くことはないです。あえて云うなら…2009年に出た『疑わない』のドラマCDに付いていたSSの出来が良かったです。ああいう短編で、ふたりの関係をまとめ上げることができるってスゴイですね。

    ■5位
    40男と美貌の幹部 (二見シャレード文庫)40男と美貌の幹部 (二見シャレード文庫)
    (2009/02/23)
    海野 幸

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    なんでみんな海野さんの作品を読まないの!?…って、そこ!自分の作家萌えを他人に押し付けない!(すみません)。ちょっとトボけた笑いと独特の行間を感じさせる文章がたまらなく、なんともいえない味わいと面白さがありました。『愛のカレー』の感想でも書いたように、「タイトル見て買うかどうか悩んだが面白かった。作家に俄然興味が沸いた。他の作品を読んでみたい」と思わせる人だと思います。個人的に追っかけたい作家のひとり。

    ■6位
    唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)唇にキス 舌の上に愛―愛と混乱のレストラン〈3〉 (二見シャレード文庫 た 2-13)
    (2009/04/23)
    高遠 琉加

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    3巻構成の最終巻だったのにも関わらず、最後の最後まで手が抜かれていない「読ませる」作品になっていたことに、ひたすら感動。2009年もっとも作家の情熱が感じられた1本。キャラひとりにひとりにドラマが存在、ラストも見事にキマっていて――高遠さんのベストはコレですね。2009年のシャレードは、全体的にレベルが高かったなあ。

    ■7位
    いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)いとし、いとしという心 (ビーボーイノベルズ)
    (2009/06)
    かわい 有美子

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    「2009年に大ブレイクした作家」その2、かわいさん。もともと人気作家のおひとりだったとはいえ、昨年はとくに大活躍の年だったのではないかと。はんなり京都人描写とその叙情に感動しました(京都に住んでた私が云うんだから間違いない)。弱いかなと思われた受も意外と逞しかったですね。

    ■8位
    忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)忘れないでいてくれ (リンクスロマンス)
    (2009/09)
    夜光 花

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    「2009年に大ブレイクした作家」その3、夜光さん。この作品については感想で語ったので、あまりここで書くことはないんだけど…2009年は夜光さん(と中原さん)の年だったような気がします。それほどいろんなレーベルでお名前を見たし、どの作品もよく売れていたと思います。中原さん同様、ご自身の萌えに正直なのに「作家が自分の萌えだけ並べて自己満足している」作品で終わっていない、BLに対する情熱や作品を書く楽しさが伝わってくるとゆーか、その作家性にまったく嫌味がないことに素晴らしさを感じました。やっぱりそういう作家は人気が出ると思います。

    ■9位
    吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.4 (Holly NOVELS)吸血鬼と愉快な仲間たち Vol.4 (Holly NOVELS)
    (2009/04/24)
    木原 音瀬

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    2008年ベストにて、「『えー!?ここで終わるのー!?』というそんなヤキモキを、私はエダ作品でしてみたいんだろうなあ」と零したらば、コノハーラさんが代わりにそんな作品を書いてきたもんだから大驚愕。大立ち回りに裸****、胸キュン(←コノハーラ作品でこの表現は超貴重)な吸血シーン、突然やってきた朝***(←コノハーラ作品でこの表現は超貴重)に、「マジでここで終わるの!?」というせつないラスト。ユニットなんとか名義で書かれた『胡蝶の誘惑』に続き、エンタ度の高い作品をあのコノハーラさんが手がけるなんてなあと、一本背負いを見事にキメられ畳の上で呆然としてしまった作品です。2010年はなんとしてでも、痛そーなオヤジ作品より吸血鬼を優先してもらいたいで候。ギャッギャッ。

    ■10位
    愛讐の虜 (ラヴァーズ文庫)愛讐の虜 (ラヴァーズ文庫)
    (2009/01/24)
    バーバラ片桐

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    云いたいことは感想で書いたため追記することはあまりないけど、前作『愛炎の檻』同様、作家の表現不足を絵師が見事にリリーフした作品で、ただただスゴかったなあと。

    ■2009年の「コレ!」
    タイトルを挙げるにあたり、どれがその象徴になるかは人それぞれ、よって「コレ!」な画像アップは難しいため、文章で書くと――「2009年のBL小説界は復刊&シリーズものフィーバー」かな?

    出版不況な上にすぐ絶版してしまうBLというカテゴリを思えば、読み手も書き手も復刊というシステムはありがたい話。ただ個人的には、復刊や小冊子企画だけでなく、新しい仕掛けや中堅作家の押し上げにも力を入れて欲しく――そういう意味では2年ほど前から活動しているUnit Vanillaは面白いと感じたし(作品が面白いかは別)、レーベルで云うならリブレは頑張っていろいろ仕掛けていると公式サイトで思うし(実を結んでいるかは別として)、シャレードは自分のところの作家をコツコツ育てているなあ〜と感じます。

    復刊も「確実に売れる作品」重視、それだけ出版不況だってことでしょうか。夢とファンタジーを売るカテゴリなのに、聞こえてくるのはシビアな話ばかりで…2010年は果たしてどうなるでしょう?

    ――以上、「BL小説MYベスト10作品 2009」でした♪

    *2010年1月10日に書いたテキストを一部加筆修正

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    BL小説MYベスト10作品 2008

    …とゆーわけで、「BL小説MYベスト10作品 2008」です。

    2008年に発行・販売されたBL小説の中で、「これ、大ツボ!面白かったなあ〜♪」と思った作品を挙げてみようという、いわゆる「私のベスト10」企画モノです。

    昨年何作品読んだか、まったくカウントしてない…とゆーか、基本的にするタイプの人間ではナイため、その数は把握しきれてません。手に取ったタイトルは大変少ないと思います。でも数を把握しきれてない、少なかったぶん、面白かったと思える作品が浮かび上がってくるもので、私はそれで充分満足しております(…と、コミック部門発表のときと同じ前書きを、いちおう書いてみる)。

    では、いってみましょー!

    ■1位
    交渉人は疑わない (SHYノベルズ)交渉人は疑わない (SHYノベルズ)
    (2008/10/30)
    榎田 尤利 (挿絵:奈良 千春)

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    エダさんの見事な職人技に、2008年最高の栄誉を。感想でも書いたように、「交渉人」はとにかくエピソードがギュウギュウ詰め、規則的な打ち込み(お約束をキレイに踏んでいるという意)よるそのテンポは、とてつもなく速いです。そしてエダさんらしく、1冊でキレイに話が終わっている――それはそれでたいへん素晴らしいのですが、じっくり読みたい/読ませてくれ、という人は少なくないんじゃないかな?

    速いテンポで楽しませてくれた2冊のあとは、あれもこれもじゃなく、エピソードとキャラをもうちょっと絞り込んだ長めのストーリーで、じっくり読んでみたい気もします。1冊で終わるのではなく、数冊に分けて。「えー!?ここで終わるのー!?」というそんなヤキモキを、私はエダ作品でしてみたいんだろうなあ。

    ■2位
    龍の求愛、Dr.の奇襲 (講談社X文庫―ホワイトハート)龍の求愛、Dr.の奇襲 (講談社X文庫―ホワイトハート)
    (2008/08/01)
    樹生 かなめ (挿絵:奈良 千春)

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    「2008年、いきなりキタコレ!」筆頭作品が、樹生かなめさんの「龍&Dr.シリーズ」。2007年に出た『龍の灼熱、Dr.の情愛』の後半から急に面白くなってビックリ、そして2008年『龍の烈火、Dr.の憂愁』『龍の求愛、Dr.の奇襲 』『龍の右腕、Dr.の哀憐』の3冊、とくに『求愛、奇襲』の出来が素晴らしく、「やるじゃん!王道かなめ!」と感動してしまいました。

    ★アナザープラネット「かなめ星」にお住まいの、樹生かなめさんは3人いらっしゃいます
    1.不条理かなめ:ハイブローな不条理やエゴで理解し難い作品のとき
    2.キワモノかなめ :どーしてそんな発想?とアゴを外しかける内容の作品のとき
    3.王道かなめ:設定や話がやや王道な作品のとき

    「龍&Dr.シリーズ」は、もともと(数少ない)王道かなめ作品としてスタートを切ったとはいえ、書き手のかなめさんがかなめさんである限り、どんなにBLヤクザ王道路線を踏んでも、読んでいる間は「…だ…ダイジョブ?ダイジョブよね?」というヒヤヒヤ感が先行、まさに「水切り石とはかくや」という印象が拭い切れないシリーズだったのですが(正直云うと、いまだに拭い切っておりません)、どの作家にも似ていないその突飛さ、微妙にズレてもグラつかないその深さ、そしてそれらに面白さの信頼(!)が加わったことで、目が離せないシリーズへと一気に変わっていきました。もう大好き!…そしてこの『求愛、奇襲』が、私の2008年もっとも「愛」を感じさせてくれたBL作品です。氷川が滝沢につけたケリと清和の取った行動、さらにそのシーンを描いた奈良画伯の挿絵に、私ゃ胸が熱くなりましたよ。王道かなめにヤラれたー!(不覚)…でもかなめさんだけに、王道でも今後の予測はやっぱりまったく見当つかなかったり…。基本はやっぱり「水切り石作家」だし。

    主人公の氷川(受)で好みが分かれそうなシリーズですが、私は彼が好きです。そして清和(攻)が大のお気に入り。ちなみに舎弟では信司が好き。今度、1冊ずつ感想を書こうっと。

    ■3位
    胡蝶の誘惑 アーサーズ・ガーディアン (SHYノベルズ)胡蝶の誘惑 アーサーズ・ガーディアン (SHYノベルズ)
    (2008/11/27)
    Unit Vanilla (挿絵:蓮川 愛)

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    リブレ系作家4人組による企画モノ。「値段お高め・オビ別色・アンケートハガキ特別仕様・ピンナップ・合紙付き」ということで、SHYでもスペシャル待遇。コレの1〜2巻が出たとき、世の評がどうであれ、あらすじ読んだ時点で「ゴージャスぶりが寒っ。スルーしよ…」と決めた私でしたが、この「3」のあらすじを読んだときだけ、「なんかコレだけ面白そう?」と感じるものがあり、購入。そして読んだらば大当たり!…ってか、コレ大傑作じゃん!

    ユニットなんちゃらさんの仮面を被ると、こんなキョーレツに面白い毒入りコメディが書けるんだー、木原さんって。感動した!…「チャーリーズ・エンジェル」で「ミッション・インポッシブル」、闇の金持ち集団が、しょーもないミッションに大金つぎ込み全力を尽くす!だなんてバカの超基本、なんて素晴らしい!…高潔でやたらとかっこいいガイジンというBLでありがちな設定の攻をあの木原さんが書いたということ自体、もうおかしくてたまらない!…そして竿竹株式会社のくだり+主人公の妄想シーンでバカ笑いが止まらず、カイシャでは思い出し笑いに苦しみ、通勤電車の中では本を読んでケタケタ笑う姿を白い目で見られ――どこへ行っても、ソレが頭から離れない状態でした。この『胡蝶の誘惑』は、私の2008年もっとも「バカ笑い」を提供してくれたBL作品です。こういう毒のあるバカコメディを木原さんがもっと書いてくれるなら、ユニットなんちゃらさんの活動をマジで応援したいっス!

    ■4位
    恋でなくても (幻冬舎ルチル文庫)恋でなくても (幻冬舎ルチル文庫)
    (2008/11/17)
    真崎 ひかる (挿絵:奈良 千春)

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    2005年にリーフから出版されたノベルスを、ルチルで文庫化した作品。本当は好き合ってるふたりなのに、妙な意地が邪魔をして、互いに「好き」といえないまま10数年…という、たいへんベタなストーリーを持つ社長×秘書モノ。大事件が次々と起こるわけではなく、日々の小さな出来事の積み重ね、その隙間に生じていく誤解とすれ違い。「定石は丁寧に踏むべし」をあらためて教えてくれたBL作品であり、私の「2008年最大のお気に入り作品」でもあります。最初に出たのは2005年だけど、絵師が奈良画伯に変わってます。

    なにが自分にヒットしたんだろう?…たぶん、受の心情が丁寧に描写されているからだろうな。攻を思う気持ちから、受がとっさにとる行動の数々。そのあとなにげない――本当になにげない文章を、たった一文、さりげなく追加するだけで、「ああ、君は本当に彼が好きなんだね」と、受の切ない思いがよりいっそう伝わってきました。真崎さんはそういう描写が上手いですね。そして、最大のポイントは読み手の安心感。受視点なので、攻が受をどう思っているかわからないことになっているけれど、読んでいると「ああ、コイツは受が好きなんだな」とわかってくるので、読み手はやさしい気持ちになれる。素敵な作品だと思います。

    ■5位
    美しいこと(下) (ホリーノベルズ)美しいこと(下) (ホリーノベルズ)
    (2008/01/29)
    木原 音瀬 (挿絵:日高 ショーコ)

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    多くの腐女子が2008年No.1に推した木原音瀬作品。「アナタならいくらでもいい人が現れるでしょうに…」というような受が、まわりからドンくさがられている男を好きになってしまい、その一途な思いに何度も潰されそうになる――というストーリー。本人にそんなつもりはなかったとはいえ、最初に相手を騙したのは受の松岡のほうだったのに、彼がたいへんけなげ&書き手が木原さんゆえか、攻の寛末の卑屈ぶりが大フィーチャー、世のおねえさま方はみな、寛末に怒る怒る!…でも私は「寛末みたいな男のほうがフツーというか、こんなヤツいるよね」と思いながら読みました。

    恋に落ちて繰り返し交互に味わう、絶頂感と絶望感。苦しい恋であればあるほど、その落差は大きい。2008年もっとも「恋愛心情描写に特化」したBL作品…かな?

    ■6位
    パイナップル・パレード (幻冬舎ルチル文庫)パイナップル・パレード (幻冬舎ルチル文庫)
    (2008/11/17)
    松前 侑里 (挿絵:高城 たくみ)

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    学生時代から恋人同士だったふたり。でも別の男の子どもを妊娠した女性を思って、受は偽装結婚、一緒に子どもを育てていく。恋人の存在を女性から承認されているため、ふたりの関係は結婚後も続くが――という、なんだか現実でもありそうな設定の松前侑里作品。

    松前さんは、基本的に無体なことはない・読んでいると温かい気持ちになれる作品が多く、またハズレがあまりないので安心感から私の中で好感度が高めの作家(のひとり)。

    ただ、基本が「年の差カップル」年上×年下な人なゆえ、私の年下攻好みという点でヒットする作品が少なく、それが至極残念でならないです。その中でもこの作品は、松前さんにしては珍しく30代の同い年カップルだったので、スリーベースヒットとなりました。自分の好みの要素からハズレても、「絶大な安心感」で手に取ってしまったBL作品。なにが良かったんだろう…う〜ん上手くいえない…けど、やっぱこれも受の丁寧な心情描写の良さ、かな?

    ■7位
    愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫)愛と混乱のレストラン (二見シャレード文庫)
    (2008/02/28)
    高遠 琉加 (挿絵:麻生 海)

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    装丁がリニューアルされただけでなく、某作家の出現によってレーベルの印象まで変わってしまったシャレード文庫から、久しぶりに「シャレード=職業モノで面白いレーベル」と思えた、高遠琉加さんの作品。続巻あり。

    食に興味がないくせ、傾きかけたフレンチレストランを立て直そうと躍起な若きマネージャー(過去にワケあり)に、俺様なシェフ、大男ながら繊細寡黙なパティシエ、レストランを愛する真面目なギャルソン…など立ったキャラによる相関が面白く、正直、BL部分をすっかり忘れて楽しんでしまいました(ダメじゃん!>私)。おもしろーい♪…TVドラマにしても充分通用しそうだなと思えるくらい、2008年もっとも「BL以外の描写で楽しめた」作品です…と書くと、高遠さんに失礼かな?…でも、もちろん今後のラブな展開も期待してますよ!

    ■8位
    デコイ 迷鳥 (SHYノベルス)デコイ 迷鳥 (SHYノベルス)
    (2008/09/05)
    英田 サキ (挿絵:奈良 千春)

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    俗っぽいヤクザを書かせると、水を得た魚のような泳ぎっぷりを披露してくれる英田サキさんによる、2008年もっとも「群像劇ラブ」なBL作品

    云いたいことはすべて感想で書いちゃったので、あんまりここで語ることはないんだけども、私がどーしてもひっかかりを感じたのが、那岐の**殺し。身勝手なケリだと那岐自身わかっているとはいえ、今の立場で彼がつけるけじめじゃないと思う。『ライク・ファーザー・ライク・サン』で、息子に******手術を勝手に施した母親もそうだったように、英田兄貴は「人としてどうよ?」という倫理観をエンタメとして軽く読ませるタイプの作家じゃないから、白黒ハッキリしちゃってグレーが出にくいとゆーか。ちょっと苦しかったかな…。

    ■9位
    他人同士 1 (キャラ文庫)他人同士 1 (キャラ文庫)
    (2008/08/27)
    秀 香穂里 (挿絵:新藤 まゆり)

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    三ヶ月連続刊行で話題になった、キャラの看板作家・秀香穂里さんによる、年下攻好きの目からもウロコな「主人公リバシで年下攻」作品。

    出版業界を舞台にした作品は、エゴ渦巻く人間関係にウンザリさせられることが多いけれど、この作品は気持ちのいいヤツもいたので、さほどそう思わなかったかな。スレてヒネた主人公が、徐々に素直になっていくさまは、読んでいてとても面白かったです。2008年もっとも作家の「コレが書きたい!」という情熱と気骨が感じられた作品ただ、3巻とことんビッチリそんな主人公とラブ以外の面でも向き合うことになる作品なため、途中で疲れてしまう読み手が出てきて、そこで評価が分かれてしまったような気がします。

    ■10位
    淫花 (KAREN文庫Mシリーズ)淫花 (KAREN文庫Mシリーズ)
    (2008/01/23)
    七宮 エリカ(挿絵:小菅 久美)

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    見世物小屋を舞台にした両性具有モノ、『淫花』だなんてベタなタイトル、レトロなカバー絵、レーベルはJUNE作品の復刊で話題になったKAREN文庫Mシリーズ――ということで、さぞやハードな仕上がりだろうと思わせたJUNE風作品。

    感想でも書いたように、この作品はJUNE的なモチーフを持ちながらBL的な読みやすさがあります。でも、JUNEを期待すると物足りないだろうし、BLにしてはキャラ萌えといったお約束ごとが足りない。JUNE作家がBLを書いた(あるいはBL作家がJUNEを書いた)というより、ストーリーに第三者的でプロフェッショナルなまとまり感があるため、普段は別ジャンルで書いている作家がJUNE風な作品を書いたような印象を強く感じます。感想を書いてから知ったのですが、著者略歴に「エッセイから、児童書までさまざまな分野の執筆をこなす」とあり、やっぱりな〜と合点がいきました。というわけで、2008年もっとも「ある意味では新鮮」だった作品…かな?

    ■2008年の「コレ!」
    ラブ コレ 4th anniversary (ラヴァーズ文庫 58) (ラヴァーズ文庫)ラブ コレ 4th anniversary (ラヴァーズ文庫 58) (ラヴァーズ文庫)
    (2008/05/24)
    著・愁堂 れな著・いおか いつき

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    ラヴァーズ文庫で人気の作品の短編、作家のフリートーク、担当絵師のラフ画集に短編マンガなどを収録し、1冊にまとめたラヴァーズ文庫の4周年記念本。

    作家もしくは作品すべてのファンなら「超お買い得」、1作品もしくは1作家でも好きなら「買ってもいいかな」、好きな作品がなければ「完全スルー」、好きな作品はあれど買うかどうかで迷う人には「他の作品にはキョーミないのに…他のシリーズも買って読めと?」……とまあ、いろいろ評価は分かれるでしょうが、あえてこれを「2008年の『コレ!』」に選んだのは、これが実際に中を見て買うことができる、一般書店に並んでいる記念本だからです。

    昨年大流行した「有料小冊子全員サービス」のような、「送った人だけもらえるスペシャル本」というプレミア感はなくても、ついてくる応募券を切って(本代がかかるし、レーベルによっては本にハサミを入れなければならない)、高い手数料+小冊子代+切手代を払って出来が未知の短編集が送られてくるのを、郵便事故を心配しながら待つことなく、書店に行けばあるのです。同じ記念本でも小冊子ブームのアンチテーゼのような存在であり、ちょっと感心しました。

    評価は難しいですが、夜光さんご自身がお描きになったマンガは面白かったし、普段あんまり読まない愁堂さんがどんな作風を持つ作家なのかがわかり、個人的にはけっこう楽しめました。柏枝先生が「ラフ画でイラストレーターの実力がわかる」とおしゃってたことは、まったく以ってその通り――奈良画伯の「ばばばばばーん!」なラフ画集を見て、至極納得したのでした。…今年はコレの5周年本を出すのかな?


    以上、「BL小説MYベスト10作品 2008」でした♪

    *2009年1月17日に書いたテキストを一部加筆修正

    以下、「2011年の今思うこと」です。

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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

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