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    浅見茉莉×実相寺紫子 「番舞」 / 高尾理一×北上れん 「契約の対価」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

    エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジーエロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー
    (2009/06)
    不明

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    ■「番舞」 作:浅見茉莉 扉絵:実相寺紫子
    扉惹句:おまえは俺の腕の中でいやらしく舞えばいい。

    爵位に差はあれど、一つ屋根の下で育った攻(伯爵)と受(子爵)。攻が大学を卒業するとその関係に変化が表れ、受は子爵家に戻ろうと考える。そして稽古場で蘭陵王を舞っている受の前に、攻が現れて――という幼なじみモノ。伝芸という設定をプラス。

    伯爵(24歳)が稽古場で子爵(受)の身体を奪う話。しまった、せっかく↑であらすじを書いたのに1行で終わっちゃった。「若き貴族が稽古場で身体を繋ぐ」というシチュエーションを書きたかったの?でもそれ以前に、キャラの伯爵や子爵といった設定から時代モノでなければいけないはずなのに、その雰囲気が出ていないので、結局よくある「俺の妻になれ」モノで終わっている。幻冬舎リンクスロマンスあたりから出ていそうな話だなあ。悪くないけれど凡作としか云えず、「ふーん」と流し読みしてしまった。数日後には忘れていそう。舞という伝芸が出てくるなら、貴族よりは家元同士のお家騒動とか、跡目争いに巻き込まれる門下生だとか、そういうドロドロした設定のほうが良かったような…。「ああ私の蘭陵王、なんて見事なんだ…貴方を奴に奪われるくらいなら、いっそ今ここで!」とか、そんな感じで。

    評価:★★☆(あえていうなら、稽古場でくんずほぐれつに萌える人向け…かな?)
    好み度:★★☆(ごくごくフツーの内容&エロでフェードアウトする話は退屈してしまう)

    実相寺さんの扉絵、綺麗だなあ。

    次!

    ■「契約の対価」 作:高尾理一 扉絵:北上れん
    扉惹句:牝馬のように、いい声で啼いてごらん――。

    特別才能に恵まれているわけではない騎手が、結果を出すため速い馬に乗りたいと馬主に直談判しにいったら、馬に乗せてやるかわりに身体をよこせと云われ、調教されることになりました――という馬主×騎手モノ。

    馬に乗りたいと云ったら、馬主に乗られてしまった話(あ、しまった。また1行で終わっちゃった)。高尾作品は初読み――もしかして競馬がお好きな作家さん?…騎手がどうのレースはどーの、4年で32勝はどーのと大変お詳しいので、読んでいて「なるほど〜」ととても勉強になった。

    お道具入っている状態で電動木馬にモンキー乗りしたり、「馬に乗せてくださーい!」とご奉仕に必死な受、「お前なんかこーしてやる」と受を馬扱いする攻――馬に因んだちょっとおバカなプレイ――コメディだと思うんだけど、あまりに沸点が違いすぎて笑えなかった。ソリが合わなかった1本。ごめんちゃい。

    評価:★(お好きな人はどうぞ)
    好み度:★(私には外枠発走な1本)

    評価は★1つだけど、ヘタというのではなく「お好きな人はどうぞ」というもの。需要はあると思う。ちなみに一番笑えたのは、扉絵を描かれた北上れんさんのあとがきでのひとこと。私も「ポニーの尻尾付きでぃるど」だと思ってました…>北上さん

    終わったー!!

    *2009年6月29日に書いた感想を加筆修正

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    玉木ゆら×一馬友巳 「淫夢」 / 花郎藤子×わたなべあじあ 「扉 ゲート」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

    エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジーエロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー
    (2009/06)
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    ■「淫夢」 作:玉木ゆら 扉絵:一馬友巳
    扉惹句:喜びさざめく触手に翻弄される山伏の淫猥な夜――

    たまたま立ち寄った村の村長に妖魔退治を依頼された山伏の前に、息を呑むほどの美貌を持つ妖魔が現れる。その妖魔の背後から触手が伸びてきて山伏に絡み付き、快感を与え始めるが――という、『エロとじv』では初登場の触手モノ。

    すんごいグロテスクでタコの足のような触手がぐにょぐにょ蠢めき、信じられないほどの快感を与えられた受は息も絶え絶え――という話かと思って身構えていたら、「ムーミン」のニョロニョロか「ナウシカ」に出てくるオームの触手かと思うほど穏やかだという、草食系男子のような触手だった。軽くサプライズ。本当は触手には興味がないのに、「ぜひ触手モノを」と編集部に依頼されて書いたんじゃないかな?違う?>玉木さん…私は玉木作品は初読みなんだけど、玉木さんって普段は優しいお話を書く作家さんのように思えた。そんな玉木さんの触手は、受をちゃんと愛しているような気がする。以前どこかで「触手に愛があるならオッケーかも?」と書いたけど、実際に愛のある触手モノを読んだら、それは果たして正しい触手モノといえるのか?とギモンを感じてしまった。

    触手の宿主である妖魔が子どもの様で可愛らしく、孤独な世捨人だった受は彼と身を寄せ合うように生きていくことになりました――というオチだったので、ある意味いい話だったといえる。ただ触手好きではない私には、「なんか草食系の触手だったなあ」という印象で終わったし、内容がぶっ飛んでない分キワモノ扱いにもできないので、世の触手やキワモノ好きには微妙な内容だったかも。

    尺八の音が聞こえてきそうな1本。

    評価:★★☆(無理して書いたような印象を受ける。よって作家をあまり責めたくない)
    好み度:★★☆(触手には興味がないけれど、受の山伏という設定には萌え。よって微妙)

    王道な触手モノなら、矢城米花さんに依頼したほうが良かったんじゃ?

    次!

    ■「扉 ゲート」 作:花郎藤子 扉絵:わたなべあじあ
    扉惹句:秘密の快楽の園で、初な身体をいじられて……!!

    グループ経営が苦しくなってきたお坊ちゃん当主(受)が、先代である祖父が出入りしてた秘密クラブの闇取引に会社の再建を賭けて参加。そこで受が見たものは――という非日常的な秘密クラブもの。

    秘密クラブものといえば、ワケわかんない怪しいクラブにいつの間にか受が放り込まれて、うっかりオークション…というのがありがちな設定だけど、これはそうではなかった。受はグループを救うために人身御供として自らクラブへ乗り込むことを決めていて、そのための調教を攻から受けていた。まずその設定に「おお!」と膝打ち。傍若無人のような攻から受けた調教の描写はない。「エロとじv」だからあってもいいのにないなんて――大胆でクールな端折りだなあ。

    秘密クラブの客たちは好色ジジイども。だがそんな客は重要でなく、不気味なボーイの存在がこの作品のキモとなっている。彼の言動はクラブの妖しさと非日常性を物語っていて、彼が話すたびになんともいえない奇妙な気持ちになっていく。これそ秘密クラブものの醍醐味。素晴らしい。

    自分が想像していた以上に辱められ、必死に耐える受。攻はそんな受に無関心、仕事がすべての男なのかといえば実は――という展開に、受に対する攻の隠れた愛情を感じる。あまりにクラブが恐ろしいところだったので、受は攻の愛情が真実であるか見抜けない。でもラストの攻のセリフと行動で気付くはず。素晴らしい。

    辱めるためのお道具は出てきても、肉棒を入れたり出したりという表現は一切ない。あれ?と思うくらい濡れ場はないんだけども、秘密クラブで衆人姦視に悶える受というシチュエーションでエロはしっかり押さえられている。セックスという手段が用いられていなくても攻の受への愛を感じるし…こんなやり方があったんだー!それを「エロとじv」で描いてきた花郎さんは素晴らしい。感動した!

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(ブリリアーント!)
    好み:★★★★★(スリリングにキマっている。一発勝負の短編でこれは重要)

    使い古されて特に目新しい設定ではない秘密クラブものでも、描き方次第でこんなに面白くなるんだなあ。「エロとじv」読んでいると、受の「イヤイヤああーん♪」にいいかげん飽きてくるんだけど、この作品はスリリングで読み応えがあったし、いろいろ想像させてくれたし…あーホント面白かった♪ 短編小説としてよくできた作品だと思う。

    次!

    *2009年6月28日に書いた感想を加筆修正

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    遠野春日×巴里 「玉響に永遠を誓う」 /ふゆの仁子×草間さかえ 「悪魔の証明」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

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    (2009/06)
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    ■「玉響に永遠を誓う」 作:遠野春日 扉絵:巴里
    扉惹句:今宵、お前という純真で淫らな勝利の美酒を。

    反乱に乗じて建国した攻は都を制圧、かつて仕えていた麗しい帝(受)を地下に捕らえる。初めて会ったときから受を自分のものにしたいと思っていた攻は、受に求愛するが拒否される。ならば身体を先に手に入れるまでと、受を陵辱し始めて――という中国っぽい設定の花嫁モノ。下克上。

    貴族だとか王族だとかお金持ちだとか、高雅なる方々が手折られるお話を得意とされている遠野さん。この短編でも、花瓶に一輪挿しの椿の花が萼(がく)からポトリと落ちていくようなエロとストーリーを展開されているんだけども――攻が受に快楽を与えながら「俺の妻になれ」と問い詰め、もともと攻が好きだった受が最終的には「はい」と答えましたとさ…という話で終わっていて、お話の「起・承」部分を読んだなあという感じ。すべてがそうとは限らないけれど、実は長編においても遠野作品は受が妻になることを了承するまでを話のメインにしている印象があったりする。なのでその部分をフィーチャーしたこの短編は、遠野ファンには面白い作品なんじゃないかな?…私はもうちょっと動く作品が好きなんだけど。

    評価:★★☆(高貴な花嫁モノがお好きな人向け…かな?)
    好み:★★☆(女性のように美しい貴族とか…あまり興味がないのー)

    実は私…和泉桂さんと遠野春日さんの作品が区別できず、いつもごっちゃにしてしまう。本当にすみません。

    次!

    ■「悪魔の証明」 作:ふゆの仁子 扉絵:草間さかえ
    扉惹句:ヤクザに抱かれる大学教授―「快楽」以外の真実は二人の間に存在しない

    平凡な大学教授である受(43歳)の研究室に、いかにもヤクザという雰囲気の男(33歳)がふらりと訪ねてきた。どうやらふたりは10年以上前からの知り合いで、しかも関係まであるらしい。なぜ彼は教授のもとにやってきたのか――という、ヤクザ×大学教授モノ。オヤジ受一人称。

    面白い。受は平凡な大学教授だが実はけっこうな男殺しで、普段から学生に口説かれていたりする。その場面に居合わせた攻のヤクザが嫉妬、受に無体三昧する話なのかな〜と思ったら、どっこい、堂々とヤクザと渡り合えるオヤジだった。そして、攻のヤクザが受のもとにやってきた理由がわかる場面では、いかにもなヤクザが年下らしく見え、ホロリとさせられた。人は見かけによらない。

    ふたりが出会った15年前になにが起きたのか、どうして身体を重ねることになったのかなど、受一人称で語られてゆく。大学教授という設定なせいか、その語りは理路整然としていてわかりやすい。彼らが出会ったいきさつも無理がなく、ずっと続いてきたふたりの関係に納得した。

    ただ、ラストの「悪魔の証明」に対する受の考えが語られるあたりは、ちょっと洗練さに欠けるかな。

    評価:★★★★(いままで読んだふゆの作品の中で、一番面白いかも)
    好み:★★★★☆(「やっぱりオヤジとヤクザが好きじゃないですかー」と云われそう)

    やっと私がオヤジと認識する年齢(43歳)の受キャラが出たよ!…攻はいかにもヤクザながら「ときどき年相応の顔が覗く」という年下攻の基本を感じるので、好みの1本かなと。不安定さの残る文章がちょっと気になるけど。

    次!

    *2009年6月28日に書いた感想を加筆修正

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    桂生青依×町屋はとこ 「離れられない」 / 夜光花×本仁戻 「夏休み」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

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    (2009/06)
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    ■「離れられない」 作:桂生青依 扉絵:町屋はとこ
    扉惹句:幸彦、おまえはこうして中を穿られるのが堪らないんだろう

    高校時代から関係が続く、ワンマン社長(年上)×秘書(年下)モノ。

    初っ端からまたもやお道具入れられての放置プレイときたので、うわ〜カブるなあ、このシチュエーション…と思っていたら、今回は受が攻に「別れる」と切り出してしまったからそうなったという、受発信なワケあり話だった。別れる理由は、受が攻に愛想を尽かしたのではもちろんなく、「甲斐性のある攻とウチの娘を結婚させたいから君は身を引いてくれ」という取引先社長からの依頼を、「会社の経営はちょっとヤバくなってきたし、攻がしあわせになるならば、いっそこの僕が…」と受が自己犠牲的に承諾したからという、なんともメロドラマ風な理由だったりする。でも結局、事情を知った攻が「生涯お前を手放すもんか」と宣言、ふたりは愛を深く確かめ合いましたとさ――というお決まりの話に落ち着いてしまうので、エロに個性がないぶん、設定・ストーリーすべてが印象に残らない1本になってしまった。残念。

    評価:★★☆(悪くない。でもよくある話で凡作の域を出ない)
    好み:★★☆(この手の話って、攻のほうがだいたい年上なんだよね)

    取引先の社長は、どーして攻と受がデキていると知ってたんだろう?…社長と秘書の関係が周囲にモロバレな会社だったの?

    次!

    ■「夏休み」 作:夜光花 扉絵:本仁戻
    扉惹句:兄と弟に交互に注ぎ込まれる淫蕩な蜜液と快楽の楔――。

    両親のいない夏休み。同級生に告白されたと次男が三男に相談したら、三男は「お前をヤツに渡すかよ」と次男の体を一気に奪ってしまう。それを見た長男が行為を止めてくれるのかと思ったら、なんとそのまま3Pに突入。夏休み中、受は兄と弟に奉仕することになってしまいました、ああなんてダークな僕の夏休み――というBL三兄弟モノ。

    さすが兄弟スキーの夜光さん、兄弟モノで「エロとじv」エントリーしてきた上に、「エロとじv」14本の中でもっともエロい作品に仕上げてきた。さすがだなあ。

    ただやっぱりとゆーか、『堕ちる花』の感想でも書いたように、夜光さんがお書きになるキャラは常に演技しているような感じがするし、サクサク進むストーリーはゲームのシナリオのように思えてしまう。たとえば、もうひとり攻が追加してうんぬんというサプライズなラストは、アドベンチャーゲームやサウンドノベルのように「アナタが分岐でそんな展開になる選択をしたからそうなっちゃたんですよ」という印象を受ける。それがいいのか悪いのか私にはわからないが、「受にとってバッドエンドかもしれない、でも本当のところはわからない」と読み手に与えるダークな余韻は夜光さんならではのものであり、素晴らしいなあと思う。私はあまり夜光さんの作品を読まないので(2009年当時)、たしかなことは一概に云えないのだけれど――もしかしたら夜光さんの人気の秘密はそこにあるのかも。

    評価:★★★★(ダークが似合いますね)
    好み:★★★☆(実は兄弟モノってそれほど好物でないの…)

    受は兄と弟のうち、どっちが好きなんだろう?…この作品は「どっちかしら?」と思わせて終わるので、最後まで想像が膨らんだままだ-。

    次!

    *2009年6月27日に書いた感想を加筆修正

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    夢野咲実×南月ゆう 「好きだから。」 / 愁堂れな×松本テマリ 「人狼伝説・淫猥な罠に堕ちて」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

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    (2009/06)
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    ■「好きだから。」 作:夢野咲実 扉絵:南月ゆう
    扉惹句:保健室で大好きな彼に迫られてv 初めての悦楽はとろけるほどに甘い…v

    憧れていたクラスメートの攻に告白したらオッケーもらって付き合い始めたものの、身体の関係にまでは至らないまま2年が経過。とうとうしびれを切らした攻は、保健室で「やろう」と受に迫るが――という同級生もの。

    ヤリたい盛りに2年も待たされたら、「ヤラせろ!」と迫りたくなる攻の気持ちはわかる。じゃあなんで受は拒絶してたの?コワイとか?と思っていたら、ちゃんとネットでやり方を確認して動画まで見てるんだから、ヤル気はしっかり持っていた。攻から「好きだ」と云われてないから、本気なのか信じられなくて――という理由で2年間お断り。キミの心はホント女の子だね>受

    そんな乙女相手に包帯プレイをしだす攻――10代で包帯プレイだなんて先が思いやられると思ってたら、ちょっと縛った程度だったのでガッカリした。「好き」と云ってなかったくせに、体繋ぐや「ふたりは一緒」と卒業後を語り出す攻のいきなりさにビックリ。

    ちなみに個人的につらかったのは、エロやストーリーではなく一人称文体。学園モノを一人称で読むのは、正直キツイものがある。テンションが下がってしまった。ゴメンちゃい。

    評価:★★(リブレっぽい学園モノって感じがする)
    好み:★★(包帯プレイがもっとヘンタイだったら、★1コ増えたかも)

    場所が保健室なので、自然に軟膏が出てきてよかった。でも間違ってムヒなんか使ったらタイヘンなことになってたよねー。次も気をつけて。

    次!

    ■「人狼伝説・淫猥な罠に堕ちて」 作:愁堂れな 扉絵:松本テマリ
    扉惹句:秘密のカラダは悦楽に満ちた実験をされて…!?

    狼男の血をひくゆえに、他人とは関わらないように生きてきた受。同級生の攻に告白されて家に行ったら、生物学者である攻の兄に捕まって研究室に連れ込まれ、数々の責め具によって実験をされてしまい――という、ダークな人外モノ(ケモミミか)。

    狼少年の人から狼への変態を見ようとお道具を使っての無体三昧した攻の兄は、生物学者としてヘンタイさんの部類に入ると思うけど、それ以前の話として、いったいいつ受が狼少年だと知ったわけ?…攻の部屋で「実は狼男だ」と告白したのを偶然聞いてしまったってことでいいの?(フリらしき場面はたしかにある)…クールにお道具を使うのはいい、でも「お前を見たときから気になってたんだ。フッフッフッ…」とかなんとか、いかにもヘンタイ生物学者らしいことをもっと云って欲しかった。

    攻が受を救って結ばれハッピーエンド、でもダークなオチが待っている――リブレというよりはラなんとか文庫っぽい作品。

    評価:★★★(長編よりいいかなあ…)
    好み:★★☆(どんなに激しいエロをやってもサラっと流し読み)

    大中小をそれぞれ揃えてあるバイブやパールやエネマグラやクリップは、助手が買ってくるのでしょーか?

    次!

    *2009年6月25日に書いた感想を加筆修正

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    藤森ちひろ×小山田あみ 「視線」 / いとう由貴×みろくことこ 「秘教の女神は蜜にまみれて」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

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    (2009/06)
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    ■「視線」 作:藤森ちひろ 扉絵:小山田あみ
    扉惹句:放課後の秘められた淫事は、ふたりきり――瞳に射抜かれながら……。

    「ウチの兄ちゃんとヤってただろう、ホモとバラされたくなかったらカラダよこせ」と、ヤリたい盛りの高校生が学校でセンセに無体三昧する生徒×教師モノ。藤森さん初読み。

    先生の中にお道具を入れて授業中に遠隔操作、いや〜ん!センセ悶えちゃう〜…とか、放課後の数学科準備室での秘めごととか、BLではよくある設定とシチュエーションで無理せず書いてきたなという印象を受けたので、これは悪くないかも…と読み始めたら、硬質なかわいさんの作品の後だったこともあってか、サクサク読み進めることができて、ラクに頭に入ってきた。エロばっかの本でこれは助かる。

    イヤだといいながら、攻には逆らわずに放課後までお道具を入れっぱなしにする先生…そんなイヤなら、黙って取っちゃば?とツッコミを食らいそうだが、なぜか先生は取らない。攻が仕返しが怖いから?…そうじゃない、実は先生はね…というくだりが大キモになる作品だと思うんだけど、ラストがちょっと締まらない。「先生を手に入れたイッヒッヒ♪」という攻の手篭め話じゃなく、「やっと攻を手に入れた、先生は満足♪」としたのはいいと思う、でもそこで終わらずにもう一歩進めて、「先生はマジ淫乱、余裕を持って攻めていた高校生のガキんちょが年相応になってしまい、先生に食われちゃいました」というあからさまな逆転劇にしたほうが、読み手をもっとドキっとさせたんじゃないかな?最後のヒネリが足りない、印象を残すにはもうひと振りスパイスが必要と感じた1本。ちょっともったいないような…。

    評価:★★★(攻の言葉使いが一定しない。これもなんとかして欲しい)
    好み:★★★(でも、藤森さんの作品を読んでみようかな?という気にはなった)

    「リモコンの操作可能範囲は20メートル」…って、けっこうな距離だなあ。高校生のくせに、お高そうなオモチャ持ってるね?

    次!

    ■「秘教の女神は蜜にまみれて」 作:いとう由貴 扉絵:みろくことこ
    扉惹句:異国の秘儀に捧げられた無垢な体は、マハラジャ達に愛欲を仕込まれて…

    インドで一人旅をしていた大学生が道に迷い、日本語話せるインド人に助けてもらって車にうっかり乗ったら、そのまま家にお持ち帰りされてしまい、待ち構えていた自称・神なインド人たちとヤっちゃいました――という、自称・神なインド人3人×日本人大学生による複数プレイもの。

    日本語話せるからってそのままノコノコついて行く受も受、さらに攻のインド人3人まで「俺たちはシヴァ神、ヴィシュヌ神、ブラフマー神」と名乗る三バカトリオなもんだから、呆れてしまってそのまま流すように読んでしまった。エキゾチックで不思議な話にしたかったんだろうけど、受も攻もバカ、捕らわれる理由もバカなので、まったくそう思えない。ヤってる最中に受が朦朧な状態になって、「これは夢か、現実か。自分はインドの神に捧げられた生贄になってしまったのか」と云っても、コッチは「いや、別にキミは神に捧げられてないから…」と冷めてしまった。

    ヒンドゥー教の神の名前を出すならば――歴史好きの大学生がインドを訪れ、何かに導かれるかのように遺跡の中を歩いているうち、夢のような場所に足を踏み入れてしまう。そこにはシヴァ神たちがおり、いざなわれるように受は神たちと淫靡な行為に耽っていく。ここはどこ、自分は誰、目の前にいるのは本当に神なのか――のほうがベタだけど、エキゾチックで不思議な雰囲気を出せたと思うんだけどなあ…。

    評価:★★(ヒンドゥー教徒やインド人のみなさん、怒らない?)
    好み:★☆(こういう作品はニガテ)

    受が女神と崇められる理由がまったくわからない。ただのフツーな子だよねー。いとうさんの作品とは本当に相性が悪く、しょっちゅー返り討ちに遭っていたりする。だいたい攻は受に対して嗜虐的で、私には理解しづらい。フェードアウトしていくような「だから?なに?話は終わりじゃなく、これから始まるんじゃないの?」という、オチないようなラストもニガテ。

    次!

    *2009年6月24日に書いた感想を加筆修正

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    中原一也×直野儚羅 「大人のおイタ」 / かわい有美子×佐々木久美子 「夜間飛行 ナハトフルーク」 『エロとじ VOL.2―b-BOYアンソロジー』 2009年

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    (2009/06)
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    ■「大人のおイタ」 作:中原一也 扉絵:直野儚羅
    扉惹句:オヤジ同士のキケンな遊びは、常に卑猥にエスカレート!?

    やはりオヤジで「エロとじv」エントリーしてきた中原さん。「中学以外はすべて同じ学校、会社も同じ、周りからも仲良しさんと思われてる親友同士」という設定のバツイチオヤジ×オヤジ。

    笑える。(新田マンガに出てきそうな)勝負パンツを一緒に買いに行くだの、買ったパンツを穿いて見せ合うだの、AVを見るだの、自家発電をし合うだの、ナースや婦人警官のコスプレだの、相変わらずバカやってるキャラが楽しい♪…いい大人だけど、昔からの親友なのでふたりでいるとついつい中坊っぽいことやっちゃうというお話でもある。エロにしろ、ラブにしろ、キャラにしろ、中原さんの特性と属性の要素をぎゅっと詰め込んだ短編に仕上がっていて、「中原さんってどんな話を書く人なの?」と訊かれたら「コレ!」と回答できる、わかりやすい作品が出てきたなあという感じ。この作品をニガテに感じる人は、中原作品全般向いていないと思う。

    受が大好きなばっかりにバカをやるフェロモン系オヤジの攻、自分の中の女に複雑な思いをしながらも攻のフェロモンには抗えない受、聴診器だの尿道攻めだのコスプレだのAVだの…いろいろ出てくるけど基本はラブのあるエロ、それにマッチしたおバカなセリフ。まさに「イッツ・ア・ナカハラワールド」な1本。お見事デス。

    評価:★★★☆(ご自身のお好きなものを、のびのびとお書きになっていますね)
    好み:★★★★(やっぱ楽しい♪…今年の中原さん、面白いよなあ♪)

    「俺たちオヤジだけど」と話していたので、ふたりはいくつなんだろう?と思っていたら、まだ36歳だった。そーいえば、中原さんの初オヤジ受本だった「よくある話。」の袴田も36だったし、中原さんと私ではオヤジ範疇においてでっかいズレがあるんだよなー。この短編も「今度こそ40代でしょ?」と思いながら読み進めていったんだけど、やっぱり越えられなかった36歳の壁。世の腐系のみなさまは、オヤジの認識と区切りをどのあたりの年齢でつけておられるんだろう?…真剣に悩んでしまった。

    次!

    ■「夜間飛行 ナハトフルーク」 作:かわい有美子 扉絵:佐々木久美子
    扉惹句:美しく誇り高い隻腕の中佐、乱したいのは制服でなく心ごと――

    アルフレート、エーリヒという名前から、ドイツ系だと思われる国の空軍中尉(年上)×隻腕中佐(年下)。幼なじみという背景あり、やや時代モノ?

    隻腕で不便な受の世話をしていた攻が、受のひとことで一気に下克上。長年の思いと情熱をぶつけるように受を抱いていく――という話なんだけども、やっぱりかわいさんは何を書いてもかわいさんとゆーか、下克上の発端となった攻が受の足を洗う場面になるまでが長く、また本題に入るまで1文に情報が多すぎて疲れる。かわいさんの硬質な文章は、戒律のある軍隊モノに合ってるけど、どの作品でもたいがい最初の数ページはキャラの形容で占められるので、そこに大切な情報が隠されていないか気になってしまい、何度も読み直してしまう。それでザセツしたり、流し読みしたりすることがあるんだよなあ…<かわい作品

    早く本題に入ってくれとイライラするものの、本題に入ってからはやっぱり引き込まれてしまうので、読んでいるコッチがガマンしなければならないなと思う。面白い短編でけっこう好きなんだけれど、なんだか朗読会でアナウンサーが語りそうな雰囲気の話だった。語り手のほうが熱入っているぞ、情緒豊かに一気に語ってやるぞ、みんな聞いてね、みたいな。う〜ん。

    評価:★★★☆(かわいさんらしい作品です)
    好み:★★★☆(本題に入ってからガブ読み。なんて正直な…)

    かわいさんってホント色にこだわる作家さんだよなあ。この作品では「前はピンクで、後ろがローズピンク」ときた。ピンクの違いがイマイチわかんないけど…ま、たしかに後ろは薔薇といえるよね。

    次!

    *2009年6月21日に書いた感想を加筆修正

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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

    >>ネタバレ上等<<
    なので、お気をつけ下さーい!

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