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    谷崎泉 『しあわせにできる スペシャル編』 二見書房 2008年… しあわせにさせる

    しあわせにできる スペシャル編 (二見シャレード文庫 た 1-43) しあわせにできる スペシャル編 (二見シャレード文庫 た 1-43)
    (2008/12/19)
    谷崎 泉 (挿絵:陸裕 千景子)

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    昨年めでたく全12巻で完結した「しあわせにできる」だが、12巻の感想で「ラストで打たれるのは『これで終わり』というピリオドではなく、『ここでちょっと区切らせてね』というカンマ。本田と殿の人生は続く」と書いたら、なんとスペシャル続編が登場。

    ♪きっと~何年た~っても~こうして~変わらぬ気持ちで~過ごして~ゆけるのね~あな~たとだ~から~ずっと~こころ~に描く~未来予定図は~ほら~おもったとうりに~かな~え~ら~れ~ていく~♪

    …と、このように「スペシャル編」は吉田美和が歌う内容そのまんまなので、安心して読める仕上がりになっている。シリーズ最初に見られた殿の嗜虐性はなくなったので無体なことはまず起こらないし、建材3課メンバーは天然揃いだし――読んでいるとしあわせな気持ちになってくる。「しあわせ」全12巻の感想で書きたいことを全部書いたので、新たに書いておきたいことは正直思い浮かばないのだが、キャラたちはそれぞれの人生を着実に歩んでいるんだなあと、つい感慨にひたってしまった。

    「お花男」こと各務は落合さんと結婚。建材3課では激震の大異動。本田は日芳退社して久遠寺の会社へ。久遠寺は多忙な社長業。そして本田と久遠寺は「付き合ってるんです」と皆の前でカミングアウト。それぞれがそれぞれの人生の岐路に立ち、それぞれの道を歩んでいく。

    「デキちゃったあとのふたり」を描いているので、フツーであればストーリーもマンネリへと突入するのだが、「しあわせ」は脇キャラが個性派揃っているので退屈しない。たとえば建材3課メンバーや 悪代官 映およびその周辺キャラは、第二の主役といっていい存在である。昨今流行のスピンオフがあってもおかしくはないが、やはり本田と久遠寺あってのシリーズかなと思う。

    「しあわせにできる」ファンなら、必読の作品。
    本編を読んだことがない人は、一気に読める全12巻からどうぞ。

    評価:★★★★(完全ファン向け作品なので、ファンには★5つ)
    全12巻+スペシャル編を読んで、谷崎さんの描くキャラは思考や価値観が保守的だなあと思った。別にそれはそれでいいんだけど、たまに古いかなと感じる。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2008年12月27日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 12』 二見書房 2007年 … 分かれても道は続く

    しあわせにできる 12 (12) (二見シャレード文庫 た 1-35) (二見シャレード文庫 た 1-35)しあわせにできる 12 (12) (二見シャレード文庫 た 1-35) (二見シャレード文庫 た 1-35)
    (2007/04/26)
    谷崎 泉

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    本田の仲介によってかつての共同経営者・藪内と和解した久遠寺は、余命いくばくもない彼から会社を引き継ぐべく日芳退社を決意する。一緒に新しい会社で働こうという久遠寺の言葉に、本田の心は揺れる。想いが徐々に身の内から溢れ、言葉や態度に表れてゆくことへのおそれ、職場が離れすれ違いが増えていくことへの不安…。一方、久遠寺の退社を知った3課の面々は情報収集に躍起。東郷の意外な行き先も決まり、プロジェクト2課と合同の送別会へと話題は流れていく。少しずつ、それぞれの道が分かれていく仲間たち。久遠寺と本田もまた、二人で歩む人生を誓い合う──。書き下ろしは本田の早とちりも微笑ましい送別会幹事奮闘記。シリーズ最終巻!


    同じメンツでいつまでも一緒に仕事できるとは限らない。殿は日芳退社→ロングランナー専務就任予定、新人・東郷は建材3課からプロジェクト2課へ異動、そして複雑な思いに駆られつつも日芳に残ることを決めた本田…と、それぞれがそれぞれの道へ歩み出していく最終巻。

    多忙で激務に追われる毎日に耐えられたのは、単に責任感からという理由だけでなく、たとえば一緒に働いている仲間となんだかんだ云いながらも楽しく仕事ができていたからとか、意思疎通が容易で「コイツとならレベルの高いことができる」という同僚がいて、互いに切磋琢磨できていたからだとか、問題のあった新人が成長して使えるようになっていく姿を見てちょっと嬉しくなったりとか、そういう充実した人間関係や恵まれた環境に置かれていたからなんじゃないかと、ふと思うことがある。

    たいがいあとになってからそう気付くもので、何年か経って一緒に働いていた仲間と再会し、近況報告のついでに「そうそう、そんなことあったよねー」と、つらかった昔話ですら笑い話に変えてしまったりする。きっと建材3課の人間にとって、殿はそういう「思い出語り」で駆り出される人になるんだろうなあと、落合さんの涙のシーンを読いながらしんみりしてしまった。別に悲しい話ではないのに。

    11巻の最後で殿は本田に「一緒に働こう」と誘い、12巻はそのことで本田が揺れる。日芳でまだやりたいという思い。環境が変わる彼を支える意味でも、自分はロングランナーへ行ったほうがいいのだろうかという思い。人生の岐路に立たされて悩むのは本田も同じ。

    熟考して結論を出す本田、日芳を去っていく殿、送別会を開く建材3課&プロジェクト2課。ほかに劇的な大事件が起こることもなく、物語はしっとりとフィナーレを迎える。だがラストで打たれるのは「これで終わり」というピリオドではなく、「ここでちょっと区切らせてね」というカンマ。本田と殿の人生は、これからも続いていくのである。

    12巻を一気読み。
    とても面白かった、ありがとう!>谷崎さん&陸裕さん

    評価:★★★★☆(しみじみと感じ入ってしまった。半星は結城さんに)
    シリーズ評価:★★★★★(後半の展開が特に好きです)

    殿が日芳で働いていたら、いずれ本田との関係がバレてたかも。「お互い独身で何年も一緒に住んでるんだって、あのふたり!あっやしいったら!」。絶対いるぞ、そんな女子社員!

    めでたく終了した「しあわせにできる」。本編読んでいる間、個人的に気になってたのが殿のアシスタント・結城さんだった。あんな仕事の鬼のアシスタントなんて、ものすご~く大変だったはず。本編ではちょこちょこ名前が出てくる程度で「事務的、イマイチ協調性がない」だなんて書かれてたけど、本当にそうなの?彼女についてもっと知りたいと思ってたら、最後の番外編で大フィーチャー、お花男・各務くんと爆笑対決をしていた。結城さん、相手が悪かったねー☆

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月28日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 11』 二見書房 2006年 … 道の曲がり角へ

    しあわせにできる〈11〉 (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫)しあわせにできる〈11〉 (二見シャレード文庫) (二見シャレード文庫)
    (2006/12/22)
    谷崎 泉

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    問題児だった新入社員・東郷の信頼を得て、ますます3課の尊敬の眼差しを集める本田だったが、プライベートでは久遠寺を訪ねてきた薮内の存在が気にかかっている。漏れ聞こえてくる過去の二人の確執、重病説…。その久遠寺には異動・転勤の正式な辞令が下るが、固辞したことで社内の立場が微妙なものに。人生の岐路に立った恋人に本田ができることはただひとつ「好きだ」と想いを伝えること…。一方、徳永から託された絵を静香に見せた本田は、彼女と訪れた「蘭月」でついに主人との浅からぬ関わりを知る。過去の苦い出来事があたたかな縁となり、すべてを優しく包んでいく―。シリーズ第11弾、書き下ろしは徳永家の令嬢・深雪の、かなり悩ましい父兄参加イベント。


    なるほど、そういうことだったのか…と新キャラを巡るいくつかの謎が解かれ、殿と本田そして建材3課の今後が示唆された11巻。

    サラリーマンをやってれば異動や転勤はつきもの。比較的大きな組織の会社にいた私も、いろんな人たちが異動していくさまを見てきた。とくに一握りであるエリートは、あからさまな異動ぶり。あんなに憎憎しく思っていたのに、大きなプロジェクトを一緒にしているうちに「コイツは意外と面白い」「他の奴ではこう上手くはいかないんじゃないか」と気がつき、共通の友人交えて大笑いしながら食事をする仲になっていた…のに、ヤツは来年4月に海外転勤するという。異動先は花の北米支社。「ああ、やっぱり彼は同期の中でもエリートのトップなんだなー」と、夜9時を過ぎたオフィスのリフレッシュルームで、共通の友人(部署は違ったが彼もエリートだった。30代に入って独立)と語り合ったもんである…と、そんな個人的な思い出話は横に置いて。

    やっぱり殿は将来を約束されたエリート、なんと海外転勤を命じられる。

    殿の様子がヘンだったのは、本田と離れたくないからと辞令を固辞すれば、社内的に立場が悪くなってしまうと悩んでいたからで、いくら久遠寺の坊ちゃんだろうと、会社組織のヒエラルキーに属するひとりのサラリーマンに過ぎなかった。そしてそんな殿を支える本田――9巻の感想で「もう本田はひとりじゃない、以前と違って理解し相談し合えるパートナーがいるんだな」と書いたが、それは殿にもいえること。殿には本田がいる。強引で我関せず、天上天下唯我独尊で弱みを見せない殿だったが、本田と出会って確実に変わった。

    11巻に出てくる私の好きな一節が、それを物語っている。
    (以下、本編を引用)

    以前だったら本田を押し流して引き止めるのは自分の方だったのに、つい、いろんなことを考えてしまった。各務との約束、明日は仕事である本田の体調。いつの間にか、本田の生真面目さが伝染ってきているかもしれないなんて思って、まだ暖かいシーツに頬をつけて苦笑した。


    辞令を固辞、さらに薮内の秘密を知った殿が考えて下した決断とは。
    道の曲がり角、人生の岐路に立たされたふたり――次はとうとう最終巻。人生は続いてもストーリーはフィナーレを迎える。

    評価:★★★★☆(谷崎さんは本田と殿が愛しいんだろうなあ。半星はジャージ姿を見せてくれた映に)
    書き下ろし「令嬢のしあわせ」で大笑い。映、相変わらず汚ったねー!あんな父親を持つと反面教師になるのか、初登場の息子・蒼はとてもマジメな好青年という感じ。蒼はホモじゃないのだろうか?…いっそのこと和哉とどうにかなるってのは?…って、3巻の感想で「このシリーズで好感を持てるのは、気が付けば主人公の周りはホモばかりという図式にならないところ」と書いたくせに!

    ホモといえば。この11巻で昴が再登場しているんだけども、昴って独身なの?(40過ぎだよね?)…奥さんや子供がいるとは書かれてないような?誰か教えて下さーい!…もし昴が独身で、結婚できない男となってしまったのならば、その原因を作ったのはやっぱ殿?…そうだったら、そりゃー10年経ったって許せないかもしれないなあ。「私を差し置いてしあわせになるだと?しかも相手は男だ~!?」…まだ高校生だった弟に女寝取られ、10年経ってみりゃ弟は男に夢中。そりゃプライドがミジンコになるよね。お気の毒。

    ■判明しました!「昴は既婚」
    由木さんから情報を頂きました(うわ〜ん!ありがとうございます〜!)。昴は「既婚で子供はいない」という設定だそうです。そっかそっか。昴、結婚してたのか。打算で結婚してなきゃいいけど。結婚してるくせに、まだ根に持ってるなんざ暗いヤツめ、松下由樹に石田純一を奪われても立ち直った今井美樹を見習え!(出典:内館牧子『想い出にかわるまで』)…こうなりゃ本田&殿の援護射撃で密告だ!奥さーん!旦那さん、男に睡眠薬飲ませて裸に剥いて、「ナインハーフ」ごっこしてチューまでしたヘンタイですよーっ!いいんですかーっ!?


    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月27日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 10』 二見書房 2006年 … 人間関係としがらみ

    しあわせにできる (10) (シャレード文庫)しあわせにできる (10) (シャレード文庫)
    (2006/09/28)
    谷崎 泉

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    久遠寺の心配をよそに、仕事をしない新人・東郷の面倒を見ると決心し、出先に連れ出した本田。そして、その日から東郷の態度が変わり始める。だがプライベートでは、白金宅を訪ねてきた薮内が久遠寺のかつての共同経営者で、彼を手ひどく裏切った男と知り動揺する。本田は薮内のことを知ろうと堂島にそれとなく水を向けたつもりが口を滑らせ、同席していたまゆりに久遠寺との関係を気づかれてしまう。精神的つながりの強い彼女の反応を不安に思っていた本田に、まゆりは薮内に関する「噂」をもたらすのだが…。しあわせラブライフ編第二弾!書き下ろし『秘書のしあわせ』は、本田さん以上の苦労人?映の秘書・森田の秘められた日常生活と、アクション映画さながらの逃避行。


    新人・東郷を巡って建材3課はてんやわんや、本田は敏いまゆりに殿との関係がバレて焦り、殿はなんだかいつもと違っておかしい。薮内はなぜいまになって突然殿の前に現れたのか?…と、さまざまな人間関係が綴られる10巻。

    印象的だったエピソードは、新人・東郷を巡る騒動か。本田の勤務態度によって次第に変化を見せ始めた東郷が、本田に直接告白した「やる気がないのに辞めずにいる理由」は、読んでいてなるほどと思える内容だった。

    どんなに今時の新人だろうとなにか理由があるからこそあんな態度を取るわけで、東郷自身からその理由が語られたとき、これはありえる話だなと思った。そして私も本田と同意見である。親身になるほど本人を知っているわけじゃないし、別にいい人になりたいわけでもないが、まだ入社して数ヶ月なのにもったいない、ここでいろんな経験を積んだって悪くないのにと思ってしまう。でも自分がどうこう云ったところで、本人が自分で気付かない限りわからない話だろう。だったら同じ部署で働く先輩として、どういう態度を取るのがベストか?…お人よしなのかもしれないが、やっぱり切捨てなんてできないと思う本田に共感した。

    …とこのように、本田と建材3課が新人に振り回されてる間、殿の様子が少しおかしくなってきた。急に甘えたさんになって、風呂での1回だけで終わらない。それでも殿は相変わらず察しが良く、本田の話を優先させる。本田も多忙な殿を気遣って、なかなか本題を切り出せずにいる…と、本当に夫婦のようになってきた。

    年齢を重ねていき、会社だ家庭だ親戚だ友人だ…としがらみが多くなるにつれ、四六時中恋愛のことで頭がいっぱいだなんて学生のようなことは云ってられない、大人で社会人な本田と殿――さて、次巻はどうなる?

    評価:★★★☆(デキる営業は外見からして違うものだよねー)
    女性キャラについて少し。たぶん女性キャラの中でまゆりの人気は高いと思うんだが、私はさほど好きではない(キライでもないけど)。なんつーかその…まゆりのような自己完結しすぎのカッコすぎな女性って、憧れる人は多そうだけど、私だったら深くは付き合えないなー。まゆりには女性の親友がいないね、きっと。でもいなくたって本人は「私は私だから」って、まったく気にしちゃいないんだろうな。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

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    *2007年9月26日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 9』 二見書房 2006年 … ふたたび謎が先行

    しあわせにできる 9 (シャレード文庫)しあわせにできる 9 (シャレード文庫)
    (2006/05/30)
    谷崎 泉

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    久遠寺がかけがえのない存在だとやっと伝えることができた本田。しかし多忙を極める二人に、なかなかゆったりとした甘い時間は訪れない。しかも素直に「二人きりで過ごしたい」と言い出せない本田は、ゴールデンウィークでさえ3課のメンバーに振り回されるハメに。そのとき訪れた料理店『蘭月』の主人が、初対面の本田に対して奇妙な様子を見せたことで、またしても久遠寺の警戒心を呼び起こしてしまうのだが…。一方、3課には待望の新人現る!ところがその新人はコミュニケーションどころか、仕事も完全拒否のとんでもない問題児で…。しあわせラブライフ編・第一巻。書き下ろしは落合家with各務のメルヘンゴージャス旅行に巻き込まれた本田さんの不幸編。


    紆余曲折を経た殿と本田、ふたりの結婚生活人生の第二章幕開けなった第9巻。

    BLだけに限らないと思うのだが、恋愛モノは往々にして「駆け引きやすったもんだの末に、ふたりの思いが通じ合った瞬間」が読み手にとって(書き手もだろうが)最大の盛り上がりであり、そのピークを過ぎるや一気にトーンダウン、読者の興味とストーリーの面白みが比例して冷めていくものだが、本シリーズはもともと「個性的なキャラが大勢いて楽しい」「書き手が伏線張り好きである」ためなのか魅力ダウンすることなく、できちゃったその後でも本田&殿そして建材3課の物語が丁寧に語られていく。

    第二章スタートとともに新しいキャラ3名が追加。谷崎作品らしく謎を持ったまま描かれているので、キーパーソンになるだろうと思われる。まず殿側キャラとして薮内。なにやら本田の知らない殿の過去を知る人物のようで、仕事絡みかな?という印象。本田側キャラとして、料亭「蘭月」の若き主人。本田を知っているようだが、本田自身は過去に彼との面識はない。そして猫の手も借りたい激務の建材3課キャラとして、新人の東郷。新人のくせに、なぜ仕事を堂々と拒否するのか。本人になにか事情があるわけで――と、やっぱり謎を抱えながら「待て、次巻」である。

    新人のことで語り合う本田と殿――社会人としてよくある話で普遍的な悩みだと思うし、特別な場面というわけでもない。ただ、会社の人間関係について対等の立場で本田に意見や助言を云う人物は今までいなかったと思われるだけに、もう本田はひとりじゃない、以前と違って理解し相談し合えるパートナーがいるんだなあ…と妙に感じ入ってしまった。

    評価:★★★☆(サクサク読める。東郷のことで悩む3課のメンバーに思わず共感、豊川課長に同情だ)
    殿と本田が夫婦になって困ったことがひとつ。ラブシーンがマンネリになってしまった。ストーリーの続きを早く読みたくて、エロをすっ飛ばして読んでる自分に気付いた。いいのかそれで?

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
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    *2007年9月25日に書いた感想を大幅改稿
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    谷崎泉 『しあわせにできる 8』 二見書房 2005年 … 黙示録を読む

    しあわせにできる (8) (シャレード文庫)しあわせにできる (8) (シャレード文庫)
    (2005/08/26)
    谷崎 泉

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    君を皇から奪おうと思っている―久遠寺の兄・昴にそう宣言され、キス写真を撮られた本田は、誘われるまま昴の待つホテルに一人で向かう。罠と知りながら、言葉巧みな昴にからめとられ薬を盛られたうえ、ベッドルームで服を脱がされ絶体絶命のピンチに陥るが―。兄弟の確執を知った本田は認められずにいた久遠寺への想いと素直に向き合い、ついに二人はお互いの気持ちを通じ合わせることができた。しかし昴の策略は終わらず、始まったばかりの白金での同居生活も風前の灯火。姑息な手口に、ついには怒り心頭に発した久遠寺が公衆の面前で昴を殴りつけるという事態に―!?波乱の第一部クライマックス!書き下ろしは本田の出生の秘密編。


    一大クライマックス、怒涛のごとき8巻。

    焦点はやはり自分の中にある黙示録を読む本田である。

    写真をネタに天敵・昴から呼び出しを食らい、殿には内緒で高級ホテルへ乗り込んで行く本田はひとり緊張の面持ち――と、「部屋に行った → ビールを飲んだ → 睡眠薬入りだった → 気を失った → 気が付いたら裸でベッドに転がされていた」と、腐女子であれば過去そのネタで軽く数十冊は読んでるんじゃないかと思うくらいベタな危機に遭遇してしまう本田、人生最大のピンチである。

    殿は海外出張でまたもや不在、そんなときに本田を助けてくれる人といえば――そう、風車の矢七こと徳永家の秘書・森田である。なんと今回は 悪代官 社長・映とともに登場。

    だが、この8巻はその場面が最大のクライマックスではない。助けられた本田は徳永家にいったん避難、映から久遠寺兄弟の軋轢を聞いて殿の過去を知ったのち、白金の自宅へ戻ろうとする――その後にこそ真のクライマックスがある。運命の相手は殿ただひとりであると悟る本田。そして昴との一件でダメージを受けた本田に、その理由も訊かずに優しく大切に扱う殿。素晴らしい場面である。

    お互い育った環境はまったく違うし、会話が成り立たないこともあったが、次第に彼を理解していく自分がいた。今まで人に甘えたことがなく、どうして甘えていいのかもわからなかった自分だから、今回もひとりで解決しようとした。でも昴はこれで終わらない、これからも自分を通して久遠寺に圧力を加えてくるだろう。なんとしてでも阻止したい。でもいまは昴から受けたダメージでボロボロだ。そんな状態を久遠寺に知られたくない、でも家に帰って久遠寺が自分にしか見せない表情を向けてくれただけで――手を伸ばし、助けを求め、すがりたいと思ってしまう。それはどういうことか?

    過去は問題ではない。自分に必要なのは今の久遠寺であり、そしてその彼との未来である。
    本田は、自分の中にある黙示録を読み、自覚する。

    …と、ハーレイクインに展開していくのだが、ここで突然ワイルドカード投入。徳永祖父によって(完全にとはいえないが)問題が解決。なんと昴は祖父に頭が上がらない。ラスト近くで本田と殿を昴から救うあたりは、祖父というより水戸黄門。助っ人に矢七、バックに水戸のご隠居とは、ずいぶんと贅沢な話である。

    番外編「しあわせの色彩」もいい。徳永祖父視点で、静香お母さんの恋、本田出生の秘密、映が養子に出されるいきさつなどが描かれており、何人ものキャラクターにそれぞれのエピソードを上手く相関させた1本のストーリーになっている。素晴らしい。

    評価:★★★★★(素晴らしい!ブリリアーント!)
    しっかし…根暗な理由から、「ナインハーフ」ごっこまでして本田にチューをする昴って、お~い!ストレートの男がいきなりそこまでできるか?…私だったらそっちの人を呼んで本田を襲わして、高みの見物だな(オッシーいわく「秋林さん、昴より鬼畜です」)。なんだかんだいっても弟と一緒、そっちの気があるんじゃ?>昴 

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
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    *2007年9月24日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 7』 二見書房 2005年 … 弟が弟なら兄も兄

    しあわせにできる(7) (シャレード文庫)しあわせにできる(7) (シャレード文庫)
    (2005/04/29)
    谷崎 泉

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    白金の家への引っ越しも無事完了し、不本意ながらも久遠寺との公認同居生活を始めた本田。3課連中の花見場所まで提供し嵐は過ぎ去ったかに思えたが、美和の頼み事の件で望まぬ出会いをした昴が再び本田の前に現れる。時期を同じくして、日芳上層部では本田を1課へ異動させようという動きが見え始め、久遠寺には北京転勤の噂が…偶然とは思えない展開、さらに追い討ちをかけるようにパーティの招待状と久遠寺とのキスシーン写真を手渡してきた昴の目的は?兄弟の確執の板挟みになりながらも、久遠寺にそれを告げられない本田の選択は―。書き下ろしには久遠寺の高校時代、渡米直前のエピソードを収録。緊張のシリーズ第7巻。


    一軒家で晴れて同居生活スタート、新婚さんの雰囲気の醸すふたりに天敵・昴再登場の7巻。

    もともとこのシリーズは、「深夜に帰宅 → 風呂 → 話す→ 寝る(文字通りの場合→本田が先に寝る。そっちの場合→本田、殿にクタクタにさせられ、気を失うように寝る)→ 本田の5つの目覚ましによって起床→出勤」と、ごくごくフツーの日常が繰り返されている話なのだが、住まいが一軒家になったせいか、この7巻から雰囲気が一気に新婚さん風になった。

    でもそうは問屋…ではなく昴がおろさず、なにやら会社絡みの汚い工作が始まってる模様。なぜ昴はあからさまな邪魔をしてでも、殿を陥れたいのか。いったい過去になにがあったのか。書き下ろし番外編で、昴と殿の間に確執が生まれた理由がちらりと描かれている。なるほど、そういうことか。10年経ってもまだ根に持ってるなんざ、昴は相当暗いヤツである。「思い出に変わるまで」とは簡単にいかないようだ。

    嵐の前の本田・久遠寺邸――さてどうなる?

    評価:★★★(サクサク読める。しあわせはまだちょっと遠いね)
    昴もなあ…「弟が本気で驚いた」って、そんな本気うんぬんよりまず、弟の相手が男だという事実に驚かないか、フツー?…あ、久遠寺家だから長兄もフツーの感覚を持っていないってことか。そっかそっか。それにしても谷崎センセは攻キャラの不法侵入ネタをよくお書きになる。殿も本田邸(寮)に不法侵入した過去を持つが、今度は昴まで本田邸に侵入だ。さすが兄弟である…って、ちゃんと靴脱いだんでしょうね?>昴

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月23日に書いた感想を大幅改稿

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    谷崎泉 『しあわせにできる 6』 二見書房 2004年 … 押してダメなら引いてみな

    しあわせにできる(6) (シャレード文庫)しあわせにできる(6) (シャレード文庫)
    (2004/12/22)
    谷崎 泉

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    突然退寮を申し渡された本田にあちこちから物件提供の申し出が。久遠寺セレクトのベルサイユ風(?)マンションを振り切り、誰にも借りは作りたくないからと激務の合間を縫って部屋探しをする本田だが、なかなか条件に合う場所が見つからない。そんな時、静香個人のものだという立派な日本家屋を勧められる。遠い記憶にある理想の家そのままの建物。訳ありな雰囲気を察しつつも追及はせず、母の意向に従うことにした本田。ついに久遠寺との同居生活におさらばか!?ところが念願かなうはずの本田の目にはなぜか涙が…。書き下ろしは引っ越し騒動裏話、各務が落合家の入り婿に。


    いつまでも独身寮にいれるわけがなく、退寮宣告を受けた本田。それでもさすが建材3課の愛され男というか、殿はもちろん、実は資産家の娘だった落合さん、映を尻に敷く妻の早紀…と、次から次へと物件を紹介される。渋谷・松濤のマンションっていくらなの?ちょっと本田が羨ましくなってしまう第6巻。

    同じ寮に住んでいるとはいえ、入寮期間の短い殿は別に出て行く必要はないのだが、やはり「本田強制退寮」=「久遠寺自主退寮」。どこまでも本田について行く殿である。誕生日プレゼントを兼ねて本田のために…と、部屋を探す姿はなんとも甲斐甲斐しく、普段クールなだけに余計ホロリとさせられた…が、趣味は相変わらずベルサイユ、最悪である。結局は、実母・静香の持ち家であるという白金の純和風一軒家に落ち着くのだが、これもまたなんだかいわくつきの家であり、谷崎さんによる伝家の宝刀「真実はまたあとで」、またしても1本伏線が張られたという印象である。

    引越し騒動ですったもんだの中、6巻で注目すべきは――殿が本田に対して起こした「押してダメなら引いてみな」というべき駆け引きである。

    駆け引きといっても、ただ先手を打って先に寮を出ただけの話なのだが、それでいったん身を「引いて」みたことが、本田にとっては殿が自分の中のどのあたりに位置している存在なのか、本田自身に知らしめる結果となったようだ。また本田の恋の自覚が決定的になった瞬間でもあり、その描写が実に丁寧だった。素晴らしい。

    本田が素直になるまで、あと一押しだ!>殿

    評価:★★★☆(サクサク読める。さらに面白くなってきた)
    しっかし…静香お母さんは、「いつか雪彦が結婚して子供ができて、家族そろってこの大切な家に住んでもらえたら」と息子のフツーのしあわせを願って、本田に白金の家を托したんだろうなあ。まさか男と住むことになるなんて、思ってもなかっただろうなあ。それが知られるだろうXデーには――和哉よ!フォローを忘れるなっ!バックアップもな!

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月22日に書いた感想を加筆修正

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    谷崎泉 『しあわせにできる 5』 二見書房 2004年 … あくまで本田モテモテ騒動記

    しあわせにできる(5) (シャレード文庫)しあわせにできる(5) (シャレード文庫)
    (2004/08/30)
    谷崎 泉

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    会社に乗り込んできた映に高級料亭・喜久田楼の奥座敷で押し倒された本田は、なす術もなく抱かれそうになっていたところを映の秘書・森田に助けられる。そのショックも癒えぬうち、久遠寺家の長兄・昴の件で美和と落ち合ったところへ突如、当の本人が現れて―。久遠寺不在中に次々起こる、なかったことにはできない厄介事の数々。兄二人を相手に久遠寺の独占欲もヒートアップ!?さらには本田さんLOVEの落合を食事に連れて行く約束までしてしまい…。年明け早々からバレンタインデーまで、お釣りが来るほどの暑苦しい愛が飛び交う本田ラプソディー。気苦労が絶えない森田の毎日を描いた書き下ろしも収録したシリーズ第五弾。


    殿の海外出張中にどうしても映からの誘いを断れなかった本田、とうとう高級料亭に連れ込まれ…あわや!な騒動から始まり、本田と殿の甘いバレンタイデー――ようやくBLらしくなってきた第5巻。

    汚い裏工作を仕掛けて連れ込んだとゆーのに、映が本田を落とせなかった理由は簡単である。日本酒ではなく洋酒を出すように仕掛けりゃ良かった、そうすれば話もそこそこで本田はクラクラフラフラ、時間かけず一気にコトに雪崩れ込めたのに。これは明らかに戦略ミスである。策に溺れたな?>映 

    がしかし、本田と映が本気でどうにかなってしまっても困るので、映の秘書・森田の活躍には感謝せねばなるまい。危機一髪のところで本田を救うあたりは、もはや秘書というより風車の矢七の域である。まさに燻し銀、なんて素晴らしい。

    そしてようやく久遠寺家の長男・昴が本格的に登場。なにやら三男坊・殿との間には軋轢が生じているらしいが、これもまた過去が明らかになるのはとうぶん先の模様。どれだけ伏線が張られているのか、わからなくなってきた。

    この5巻で特記すべき展開がもうひとつ。「バレンタインデー騒動」編で、とうとう本田が殿におねだりだ。本田は自己嫌悪に陥ってるが、読んでいるこっちは結果オーライである。今までのラブシーンはすべて殿による「寄り切って押し倒し」ばかりだったので、おねだりはとても新鮮だった。「本田→久遠寺」が形になって見えてきたということか。殿は殿で、巻を追うごとに本田に対する気遣いが感じられるようになり、1巻の無理やりぶりを思えば相当変わったと思う。

    書き下ろし「社長のしあわせ」では、映の汚さに大笑い。頭が回り過ぎる映を察して先手を打たねばならない秘書の森田さんは、本当に大変である。特別手当を支給せよ!>映

    評価:★★★☆(サクサク読める。半星は、気の毒な落合さんと気苦労の絶えない森田さんに)
    「あいつの後ってのが、気にいらねぇが…。あいつじゃ、物足りなくなるようにしてやるよ」(P32)って、アナタまだ順番にこだわってるんですか!?…と思いつつ、海千山千な映なだけに、マジで殿より上手そうな気がしないでもなく…。それにしても、襖を開けたら布団が一組敷かれていて…なんてゆー高級料亭旅館、いまだ存在するの?…秋林、庶民だからわかんな〜い!

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月21日に書いた感想を加筆修正

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    谷崎泉 『しあわせにできる 4』 二見書房 2004年 … 拉致られてスイス

    しあわせにできる (4) (シャレード文庫)しあわせにできる (4) (シャレード文庫)
    (2004/04/28)
    谷崎 泉

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    ありえない忙しさに振り回された年内の業務がやっと終了。年末年始は掃除に洗濯、そして心ゆくまで眠りたい…そんな本田のささやかな予定を180度ひっくり返す男、久遠寺。強引な手段で飛行機に乗せられ、行き着いた先は、なんとスイス。久遠寺家所有の超ゴージャス別荘で、なぜかどこにでも現れる3課連中とニューイヤーパーティで新年を迎えることに。気持ちでは久遠寺を受け入れ始めている本田だが、そんな自分を理性はいまだ認められずにいる。帰国後、元彼女・美和と偶然の再会をした本田は、久遠寺に関わる妙な頼まれごとをされてしまうが…。本田の日芳物産内定にまつわる過去編の書き下ろしも収録した、ワーカホリック・リーマン・ラブシリーズ第四弾。


    仕事先から拉致られて飛行機に乗り、スイスの久遠寺家別荘へ行ってみれば――なんと建材3課メンバーの各務や落合もいた…という年越しドタバタコメディから始まる4巻。久遠寺家がとんでもなくお金持ちであることより、3課のみなさんの愛すべき鈍感ぶりに笑った。

    スイス行ってもやっぱり本田は寝てばかり(睡眠という意)。そして相変わらずのモテぷりを発揮、別荘で出会った久遠寺祖父にまで気に入られていた。どうやら久遠寺家の本田ダイスキー因子は祖父からの遺伝である模様。DNAに組み込まれているのならば仕方がない、本田に一目ぼれだったのも納得だ>殿

    4巻はその他のキャラとして美和が初登場。久遠寺の長兄となにやら関係があるようで、ここでまた1本、伏線が張られた。「待て、次巻」というところか。

    評価:★★★(サクサク読める)
    2巻の感想で「潤滑剤も毎回用意いいときたもんだ。突然出てくる。いったいどっから出してくるの?」と書いたんだが、もしかして本田のいない隙に、殿のお世話係でハウスキーピング担当者が、こっそり本田の部屋に潤滑剤を持ち込んで補充してるんじゃないのか?…殿なら照れもなく指示しそうだ。「え〜っと、皇坊ちゃんからアレの補充依頼が来てるな」とかなんとか云いながら、担当者は枕の下に置いてるんだよ。疲れて帰って風呂入って寝る生活の本田は気付いてないね、絶対。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2007年9月20日に書いた感想を加筆修正

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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

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