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    「YEBISUセレブリティーズ 3」 リブレ出版 2006年 … 劇団アルベルト

    YEBISUセレブリティーズ3YEBISUセレブリティーズ3
    (2006/09/28)
    ドラマCD一条和矢

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    原作:『YEBISUセレブリティーズ3』 岩本薫 リブレ出版 2006年 
    出演者:一条和矢(アルベルト)×平川大輔(東城雪嗣)、小杉十郎太(大城崇)ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    2. 好きな声質を持つ声優さんが出演しているから
    6. 原作を読んでいなくて、ドラマCD化したなら聞いてみようかと思ったから

    実は秋太夫、リブレの看板タイトルのひとつである「YEBISUセレブリティーズ」を読んだことがない。いい機会だからCDで聴いておこうかな…と考えてみたがCDもシリーズ化しており、何枚も出ている。面白そうなのは「3」と「5」だけど、いきなりそれから聴いてダイジョブだろうか?とDさんに相談したらば。

    「是みたいな感じ。キャラが山盛りいてその中から1カップルずつ話に出てくるの。単品で聴いても基本的に大丈夫だよー」(アリガトー! Dさん)

    というわけで、ならば最初は一条×平川だなと「3」をチョイス、聞耳。

    熱いイタリア男×クールギャルソン。ともに30代。一条さんやや高音、平川さんやや低音。2枚組。

    ムダに熱いパッショネイトなアルベルト(家具メーカー日本支社長)が、美貌のツンケン極東男子・東城(取引先ビル1Fカフェのギャルソン)に恋をし、百夜通いで有名な深草少将のように求愛すれど、ことごとくフラれ続けて2年が経過。97回目のお誘いもあっけなく即時却下を食らってションボリ…という、根気強く片思いし続ける攻がいつものようにフラれる場面から本編スタート。

    一条さん演じるアルベルトの一途なアモーレ東城っぷりが泣ける。フラれてもフラれても、彼の目に映るのは東城ひとり。攻視点、つまり主人公は一条さんasアルベルトなのだが、「ユキ…かわいい」「しまった、つい熱く語ってしまった」「もっと君を知りたい」「こんなに人を好きになったことがないんだ」「君のことばかり考えている」「頭も心も君に支配されている」「なにを考えているだ、僕は!」と、東城がいてもいなくてもとにかくすべてのシーンが熱い。ひとりハーレクイン状態、まさに劇団アルベルトである。

    ところが、平川さんas東城は「時間の無駄です」「失礼します」と超クールにバッサリ。なぜなら東城の過去に事情があってね…というお約束が見え隠れ。仕事上の付き合いでアルベルトと東城の距離が縮まるにつれ、それらが判明していき、ついにふたりは――と話が盛り上がっていく。途中ツッコミたいことがやーまーほーどー出てくるが、劇団アルベルトの熱演を聴いてると何も云えなくなってしまう(よって不問とする)。

    劇団アルベルトの熱さによって、東城が徐々にアイスブレイクしていく様が聴き所。ラブシーンはビックリするほど甘くて長い。音楽や声優陣の演技がとても良くてブレがないし、キャラ相関がわからないまま聴いた私も展開が理解できたので、たぶん原作ファンも満足な出来だと思う。ムリな場面転換はないし、丁寧に作られているなあという印象。ただし、艶低音の声優さんが多いので、初心者や原作未読の人は誰が誰だか最初に少し混乱するかもしれない。

    綺麗に着地したハッピーエンドをむかえるので、「熱い男とクールな男のツンデレ」「どこまでも直球勝負な甘いハーレクインラブ」がお好きな人には、安心してオススメできる1枚。

    評価:★★★★(平川さんより一条さんの1枚、という感じ)
    好み:★★★★(なんだかんだ云って、私もハーレクインが好きなんだろうなー)

    オマケのラストトラック「セントエビリティ女学院」…ノリに作者の世代を感じちゃう。イマドキの子には伝わるんだろーかー?

    一条さんvs.平川さん。どっちも自前SEで有名な人だから、ラブシーンはすっごいSE対決になるんじゃないかと、内心ビビリながら聴いていたんだけど、一条さんひとり勝ち…とゆーか、「君はなにもしなくていい」(アルベルト)なので、平川さんはただただ喘ぎっぱなしのマグロ状態だった。一条さんは一条さんで最中に喋りっぱなし。どちらも大変だったと思う。熱いラブシーンと愛の言葉。受よりも攻を演じるほうが恥ずかしそうだな、と思ってしまった。一条さんのアルベルトは熱いけれど、鬱陶しさがないので聴き心地がいい。ただちょっと気になったのは、サ行とタ行の発音。たまに覚束ない感じがした(ガイジン仕様だから?)。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年5月25日に書いた感想を加筆修正
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    「嵐のあと」 サイバーフェイズ 2008年 … リアリスティックファンタジー

    ドラマCD 嵐のあとドラマCD 嵐のあと

    サイバーフェイズ

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    注意:メーカー倒産により新品の流通はストップ、中古の在庫も厳しい人気タイトルです。画像は密林のもので、「現在在庫切れ」となっています。 

    原作:『嵐のあと』 日高ショーコ 芳文社 2008年 読(現在、既読)
    出演者:森川智之(榊正彦)×中村悠一(岡田一樹)、鈴村健一(美山洸平)、ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    2. 好きな声質を持つ声優さんが出演しているから
    6. 原作を読んでいなくて、ドラマCD化したなら聞いてみようかと思ったから
    番外. お友だちに「聴いてみて下さいね☆」とオススメ頂いたから

    日高作品なのに原作を読んでいなかったのは、先に発表された関連作『シグナル』にピンとくるものがなかったからで、「『シグナル』に出てた榊の話か…別にいいや」と完全スルーしていた。ところがドラマCD化されたのは『嵐のあと』。もしかして『シグナル』より面白い?と興味がわき、またメイン出演者が森川さんと中村さんだったこともあって聞耳。

    輸入家具会社社長の30代ゲイ(主人公)が、取引先で知り合ったストレートの男に抑えきれない恋心を抱いて葛藤する姿と、その気持ちを知って揺れ動く相手の心情を描いた作品。森川さんと中村さん、ともに中音。

    取引先との飲み会で、外面良く振舞っているゲイの榊。だが内心では「センスのないやつばかりだ」と毒づき、早く帰りたいと思っていた。そんな榊の前に、今回の仕事で担当になるという岡田が現れる。紹介されて話してみると彼は好みのタイプだったが、残念ながらストレートの男で――というふたりの出会いの場面から始まる。

    それなりに仕事は成功し、面倒くさくないパートナー・美山もいて、日々余裕がありそうな大人の男として登場した榊だが、岡田に深く惹かれて心四六時中彼のことを思うも、「ストレートに恋したって自分が傷つくだけ」と恋に臆する姿をどんどん晒していく。そんな内省的なキャラを好演しているのが森川さんで、榊の神経質そうな性格がセリフの端々までよく表現されている。対する岡田は、仕事でこそ身なりはいいが、実はややルーズで無頓着なタイプ。そして初対面の相手に「この人、いいな」と思わせる魅力を持つ男――中村さんはそれが自然に出せる人であり、純情だったり天然だったりする役よりも、岡田のような世俗に小慣れた感のある役のほうが似合うと思う。

    一種のファンタジーであるBLなのに、この作品はとてもリアルに感じる。その理由はいくつかあって、まずひとつ、榊が岡田を好きになっていく過程やその姿に共感しやすいことが挙げられる。たとえば、ふたりが出会う冒頭の場面は現実でもよくあるシチュエーションだと思うし、実りそうにない恋ならば、募る思いをなんとかやり過ごそう、今はつらくても気持ちは次第に薄れていくはずだと、自分に云い聞かせて自己完結してしまうことも、ゲイに限らず多くの人が経験しているのではないかと思う。

    ふたつ目は、岡田の戸惑い。「この人と仕事したい、一緒にいると楽しい」と相手を好意的に思う気持ちは、人間関係の中でよく起きる感情のひとつであって、すべてが恋愛に繋がるわけではない。しかも相手が同性ならば、自分に恋愛感情を抱いているだなんて想像すらしないだろう。岡田が榊の行為に驚いたのは当然のリアクションであり、混乱して逃げてしまったことは責められない。

    みっつ目は、実際に男性である声優によって演じられていること。感情が激しくぶつかり合うクライマックスのあと、静かに吐露されていくふたりの本音や交わされる他愛のない日常会話は、原作コミックだと淡々としている。だがドラマCDでは音楽や効果音が入ることで臨場感が増し、男性がリアルに演じることでセリフに揺れる感情が乗り、キャラの真意がどこにあるのかコミックより理解しやすいものになっている。また声のレベルが、それぞれの演者が持つ地声に近いので無理がなく、穏やかに耳に入ってきて心地よい。

    話は榊視点で進行するが、ふたりの立場や心情は常にイーブンで描かれているので、BL的な都合のよさが一切出てこない。「この恋の行方は?ふたりはいったいどうなるの?」――最後まで聴かないとわからないし、最後まで聴いてもどこか心切ない。

    このリアルな作品にファンタジー部分があるとすれば、それは岡田が榊を受け入れる可能性を持った男だったということくらいで、現実の世界においてその確率はかなり低いだろう。恋愛模様がどんなにリアルに描かれていても、この作品がBLファンタジーに帰属する理由はそこにある。わかりやすいハッピーエンドが約束されている予定調和を楽しみたい人や、めくるめくBLファンタジーを期待する人には向いていないが、心情描写重視で聴き応えのあるリアリスティックなBLファンタジーを望むならば、これ以上の作品はない。

    ストーリー・脚本・演出・音楽・キャスト――欠けているものが一片もない、最高のものだけが揃った一枚。

    「榊さん…少しぐらいは――俺とあなたの気持ちが重なる可能性も考えてみてよ」

    @RECOMMEND@
    評価:★★★★★(パーフェクト。星はいくつあっても足りない)
    好み:★★★★★(今のところ、私にとってこれ以上の作品はない)

    中村さんが受を演じると、ラブシーンでゴソゴソしたあといきなり「あああーーっ!」と大声を上げるので、聴いてるこっちはいつもビックリする。うかうか寝落ちもできないよー。効果音で気になることがあるとすれば、水音くらい?大きくはないけど小さくもないきゅるきゅる音で、この作品なら別にそんなに鳴らさなくたっていい、さほど必要ではないと思うんだけどなあ。でもそれは個人の好みによるかも。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。


    * 語りたいことはまだある…けど、長くなるので「Continue Reading」以降に移動させます。

    Continue Reading

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    「交渉人は黙らない」 サイバーフェイズ 2007年 … スルメの味わい

    交渉人は黙らない (SHYノベルス)交渉人は黙らない (SHYノベルス)
    (2007/02/23)
    榎田 尤利

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    注意:メーカー倒産により新品流通なし。中古の在庫も厳しい人気タイトル。原作本の画像を出してみました。

    原作:『交渉人は黙らない』 榎田尤利 大洋図書 2007年 
    出演者:子安武人(兵頭寿悦)×平川大輔(芽吹章)、日野聡(美村紀宵)、梶裕樹(橋田智紀)、定岡小百合(さゆり)、安元洋貴(鵜沢万里雄)、秋元羊介(周防忠範)ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    番外. お友だちに「聴いてみて下さいね☆」とオススメ頂いたから

    榎田尤利の大人気シリーズ「交渉人」第1作目をドラマCD化。 

    中身はオッサンである美貌の交渉人が、ヤクザの若頭となって現れた高校の後輩に大変な執着ラブをかまされながらも、得意の舌鋒で人々を助け、また自身もまわりに助けられ困難を乗り越えていく人情モノ。ヤクザ×交渉人、年下攻。子安さん中音、平川さん中音。

    原作と同じように、敷金返金を巡る交渉から話はスタート。比較的ゆっくり目に話す平川さん。それは相手が誰であろうと終始変わらず。兵頭との夫婦漫才のようなダイアローグなどプライベートの芽吹はもっと早口がいいんじゃないか、なんたって江戸っ子なんだし…と感じたが、何度も聴いていたら平川ペースに慣らされ、今ではすっかり「それ(=ゆっくり)もアリ」になった。タイトル通り喋りっぱなしな上、知的な交渉人口調からざっくばらんのべらんめぇ節まで楽しめるので、平川さんを堪能するには最適な作品でもあると思う。

    突っかかってくる芽吹をヒョイヒョイとかわしていく兵頭は、子安さんがドンピシャの喋りをしてくれる。最初に聴いたときは「え?これが兵頭?リーマンみたいだ」とあれほど思ったのに、今ではもう「兵頭は子安さんでなきゃヤダ」。新刊読んでも、兵頭のセリフはすべて子安さんの声に脳内変換されてしまう始末。子安さんは何を演じても「子安でーす」という感じなのに、役にハマると怖いくらいにキマる。

    キヨ(日野さん)、智紀(梶さん)、鵜沢(安元さん)、さゆりさん(定岡さん)、周防の親父さん(秋元さん)…すべてのキャラがピッタリで、なおかつ脇をしっかり固めてくれているので、「上手いなあ」としか言葉が出てこない。中村さんに指摘されて気づいたのだが、「外画(吹替)っぽいキャスティングですね」…ダイアローグ中心の脚本だし、平川さんはもちろん定岡さんや秋元さんも吹替でよく見かける方だし、個人的に落ち着いて聴ける理由はそこにあるのかもしれない。

    主人公が交渉人だけあって理に適った笑いが提供され、聴いていてとても楽しい。ただゆっくり目に話すせいか、ダイローグのテンポが冗長に感じられることがある。本編のエピソードは、気になるほど大きな端折りはなかったのだが、どのセリフのどの言葉を残すのか、そのチョイスがイマイチだった。原作はセンスのいい言葉をバンバン使っているのに、なぜそれを残さない?…と思うことしばしば。原作を読んでいなければそんな風には思わないはずであり、既読組ゆえの指摘といえる。もうひとつ残念だったのは、一部の音楽でピコピコBGM。場面に合わず、聴こえてくるたびにガッカリした。

    話が面白い、キャスト最高――ただところどころ間延びしたり、場面に合ってない音楽が足を引っ張ったりと、細かなところで取りこぼしがあり、ちょっともったいない。それでも充分多くの人が満足する出来だろうし、枚数を重ねるともっとよくなる気がするので、続き(3巻目以降)をなんとか別のメーカーから出してもらえないだろうか。真剣に願う。

    最初に聴いた印象がどんどん変わっていった作品。飛ばし気味に聴いてたのに、今やすっかりハマってしまった。声優さんの演技の面白みがじわじわ浸透してきたからだと思われる。まさにスルメの味わい。

    評価:★★★★(面白いですよ☆…続編希望、キャストそのままで)
    好み:★★★★★(私自身はたいへん気に入ってる作品ですー)

    SEや短いBGMなど、Final Cutの音素材使ってるから(こんなにあからさまに使ってる作品のほうが少ないんじゃ?)、他社で製作することになってもすぐ対応できると思うんだけどなあ…って、問題はそういう技術的なことじゃないか。

    キャラの声のイメージが合ってるかどうかは聴く人次第だけど、平川さんの芽吹解釈の方向性はまったく間違ってない。なんで平川さんは芽吹がわかるのかしら?…と思ってたら、しっかり原作を読まれていて、「原作すっごく面白いんです」「あとがきで榎田先生が〜」という話をされていた。ホント真面目な方だー。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2011年5月8日に書いた感想を加筆修正

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    「エス1」 サイバーフェイズ 2005年 … いつも必死な熱血椎葉

    エス (SHYノベルス)エス (SHYノベルス)
    (2005/02/10)
    英田 サキ

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    注意:メーカー倒産により新品流通なし。中古の在庫も厳しい人気タイトル。原作本の画像を出してみました。挿絵を手掛けられた絵師さんは、いったいどなた?…うわわああああんっ!

    原作:『エス』 英田サキ 大洋図書 2005年 
    出演者:小西克幸(宗近奎吾)×神谷浩史(椎葉昌紀)、三木眞一郎(篠塚英之)、杉田智和(安東隆也)、中村悠一(鹿目)ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    番外. 「初めて聴くBLCDなら、原作知っているタイトルで」とお友だちからオススメ頂いたから

    秋太夫が初めて聴いた記念すべきBLCD。再レビューのために再聴。

    拳銃密売捜査をする孤独な刑事が、情報提供者「エス」として取り込むべく、ある経済ヤクザと駆け引きを重ねていき、いつしかそのヤクザに心と体の奥深くまで切り込まれてしまう話。ヤクザ×刑事、小西さん低音、神谷さんやや低音。

    原作と同じくドラマCDでも、寝ていた椎葉がこの時点ではまだ正体不明だった宗近に電話で起こされ、「安東に気をつけろ」と云われるシーンから始まる。ところが起きたばかりなのに、神谷さんas椎葉は勢いよく「なんだって!?」。高血圧気味で必死。原作1巻の椎葉に対し「ポッキリ折れそうな心を仕事でなんとかつなぎ止めている」という印象を持っていたのだが、神谷さんは常にキレのある早口でテンション高め、とても心折れそうな人には思えない。疲れているというより「俺は潜入捜査官さ!」、嬉々として仕事をしているような感じさえする。ただ「原作は原作、CDはCD」なので、神谷さんの解釈よる椎葉は当然アリ、否定する気はない。

    そして滑舌なボイスオーバーへと続き、話は本題へと進んでいくのだが、主人公が早口でハキハキしている上に1巻の内容を1枚になんとか収めようとしたためか、ドラマ進行のサクサク度が顕著で、あっという間に聴き終わってしまった。実際、ラブシーンはかなりカットされており、「エス1巻」最重要シーンのひとつ椎葉による「ベレッタのバレル舐め」はなく、bjobもカット(「10分で達してみろ」はアリ)。エロを期待する人にとってやや残念な仕上がりだろう。でもすべてのリスナーが原作既読とは限らないし、キレイに1枚でストーリーをまとめるならば、何度もクライマックスがあるよりはラストに1回だけのほうが、ほかに核となるエピソードを端折らずに済むし、また聞き手もその1回に集中できる。そういう意味では、初心者向きの1枚かなと思う。

    小西さんの宗近――最初聴いたときは「この低音ヤダな〜」と思ったのに、今聴くと大して低音じゃないし、まったく問題もなく…というか、逆に「そうそう、宗近ってこんな感じ」。小西さんは基本澄んだ声の人なので、どんなにギラついたセリフが口から出ても、いやらしさが(いい意味で)出にくい。たまにスッキリすぎて物足りなくなるのだが、「エス」のようにイマイチ垢抜けないセリフが多い作品では、それが相殺されてちょうどいいのかもしれない。

    聴き所はラブシーンというより、必死な椎葉と泰然自若な宗近の駆け引きにある。神谷さんと小西さんは、声のバランスがちょうどいいので、耳に入ってくる感じもいい。他のキャストに関しては――三木節による篠塚さんは好みが分かれそう、杉田さんas安東は合ってる、当時ほぼ無名だった中村さんas鹿目はちょっと若いかな?という印象を持った。

    ふたりの駆け引きを際立たせる音楽は心地よいし、全体的によくまとまっているし、雰囲気もあるけれど――ギリギリ詰め込んだ脚本にタイトな演出、小西×神谷のスッキリ声系キャスト、ラストトラック収録のキャストトークが忙しないゆえか、小ざっぱりしすぎていて、今聴くとあまり色気が感じられない1枚。面白いんだけどね。

    評価:★★★☆(「4」まで通して聴くと、たぶん違う感想を持つと思います)
    好み:★★★☆(「エス」CDは、「1」「4」所有で「2」「3」未聴。一番聴きたいのは「2」だったり)

    神谷さんas椎葉があんまりにも必死なので、原作では共感しづらかった「最初はちょっとデカをおちょくってやろうと思った」という宗近の気持ちが、CDではよく理解できたよー♪

    神谷さんはハキハキと滑舌がいいので、名セリフ「お前ピーーなんだろう」「このゲス野郎!」「やり損だ」は聴き心地最高。うっとりする。ケータイの着ボイスにしーたーいー。

    「ヤクザに心と体の奥深くまで切り込まれてしまう話」と書いたのは、これが「1」だから。「エス」は宗近が椎葉によって骨抜きにされていく話なので、CDの本題もやっぱ「2」以降かなと思う。

    よくドラマCD化される英田作品――実は自分が抱いていたキャラのイメージとキャストが一致したことって、ほとんどない。それがイヤなんじゃないの。ただ毎回「え?英田兄貴ってそういうイメージ持ってたの!?アタシのとはずいぶん違う…」とそのギャップに驚かされるなーって。「デッドロック」なんか特にそう、かなりビックリした。一致したのは「恋ひめやも」くらい。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
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    *2011年5月8日に書いた感想を加筆修正
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    「恋の花」 サイバーフェイズ 2005年 … 恋の花はいつ咲くの?


    2005年9月発売CD【△図書カード付】恋の花
    原作:『恋の花』 妃川蛍 二見書房 2005年 
    出演者:森川智之(大槻慧介)×平川大輔(朝比奈諒)、麦人(宗方)ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    2. 好きな声質を持つ声優さんが出演しているから
    6. 原作を読んでいなくて、ドラマCD化したなら聞いてみようかと思ったから

    飲食業界の寵児―大手カフェ・チェーンの二代目社長・朝比奈諒。重役たちを説き伏せ、彼が強引にオープンさせたのは、心地よさを追求した『最高のもの』を揃えた理想の店。だがそこにもう一つ足りないものがあった。最高のサービスを提供できる、最高の人材。大槻慧介―彼こそ、朝比奈が見つけた逸材。プロ中のプロの顔を持つ最高の男だった。ある日、ヤミ金に追われる大槻の窮地を救った朝比奈は、借金を全額肩代わりするのと引き替えに、新店舗のマネージャー就任を持ちかける。だがなんと、大槻はその申し出をにべもなく断った。カッとなった朝比奈は勢い余って『愛人契約』というとんでもない条件を口にしてしまい!?


    とりあえずサイバーから平川さんを拾っておかねばと、在庫セールでポチって聞耳。有能カフェマネージャー×勝気な美人社長。森川さん平川さん、ともにやや低音。

    シャレード作品はCDになってもあらすじが長いので、たまにそのせいで困ったりすることがある。しっかり最後まで読まなかった&声優さんの印象で勘違いした私が悪いのだが――「色男の森川さん(攻)が、けなげ美人の平川さん(受)を勝手に見初めて強引に手篭めにしようとしたらば、平川さんに拒否されたので『借金があるんだろう、俺の愛人になればチャラにしてやるぜ?』と脅し、条件をのんだ平川さんがご無体な目に遭ってるうちにフォーリンラブ」という、いつもの話だと思ってたら違ってた。

    いきなり「愛人契約だー!」という「なんでそんな発想?」な条件を云ったのは、社長なんだけどお子ちゃまな受の平川さんで、そんなホモな要求を大して引かずに律儀にのんだ色男が、攻の森川さんだった。

    聴き所は、実は色事に慣れていないウブで意地っ張りな受が恋に落ちて素直になってゆく…あたりか。受を抱いてるうちに攻は受が遊び慣れてないことにちゃんと気付く、というお約束もしっかり踏んでいる。クライマックス、森川さんを引きとめようと畳み掛けるように叫んでバタつく必死な平川さんの演技、それに完璧に合わせてくる森川さんの間が素晴らしい。体を重ねるシーンは2回程度。なんで攻が受を抱こうとしたのか、その心理がイマイチ把握できなかった。原作を読めばわかるのだろうか?

    森川さんにとって十八番な攻だと思う。とてもいい声。平川さんは…こんな勝気で直情型のお子ちゃま社長役を演じるなんて珍しいかもしれない。私は森川さん平川さんともに低音が好みなので、たいへん聴き心地の良い作品といえたが「ふーん。BLによくある話だな」で終わってしまった。「恋の花」というタイトルも凡庸で損している。そして音楽。まるで着メロのようなショボい曲があり、携帯の着信音かと思ってしまった。演技は悪くないが、いろいろと残念に感じた1枚。単純にドラマCD向きじゃない話だったのかもしれない。

    評価:★★★(意外な人が出ててビックリ)
    好み:★★☆(演技はいいんだけど…)

    秘書役の麦人さんに驚いた。秘書というより執事、それも超怪しい存在感あり過ぎな執事だったので、出てくるたびに「実はもしかしてコイツが…」と無駄に緊張しちゃったよー。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年5月27日に書いた感想を加筆修正

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    「ココロサワイデ」 fluorite. 2010年 … ほんわかホロリ下克上

    ココロサワイデココロサワイデ
    (2010/04/30)
    森川智之;平川大輔;渋谷茂

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    原作:『ココロサワイデ』 宮越和草 松文館 2009年 
    出演者:平川大輔(平沢孝輔)×森川智之(久我晴之)、渋谷茂(三崎由次郎)ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    3. 気になる声優さんが気になる役で出演しているから
    6. 原作を読んでいなくて、ドラマCD化したなら聞いてみようかと思ったから

    裕福な家に生まれ、放蕩三昧の生活を送っていた晴之だが、 書生としてやってきた5つ年下の孝輔に一目惚れ。 生活態度も改め、せっせと口説いてようやく結ばれる…… そのとき、孝輔から飛び出した意外な言葉は!? 愛はその一線を越えられるのか?


    昭和初期。真面目な書生×裕福な家の次男坊。身分違いの下克上年下攻。
    (書生:他人の家に寄宿して、家事を手伝いつつ勉強する学生)

    あらすじを読んでも「下克上?どこが?」とよくわからない状態だったので、慎重に聞き始めたらば、晴之は書生・孝輔に告白済でふたりは出来上がったカップルだった。そして1トラック目早々、晴之が孝輔に迫り出し――なんだ、平川×森川ではなく森川×平川だったの?と思ったら。

    孝輔:「あなたに抱かれるのは嫌なのです」
    晴之:「俺に抱かれろよ!」
    孝輔:「私があなたを抱きたいのです」

    …と、マウントポジションの争奪戦となっていったのだが、どちらも穏やかな青年なので殺伐とすることは終始なく、晴之が孝輔のいじらしさに絆されたことから意外と早く決着がつき――そのまま初体験シーンへと流れていった。

    ドタバタやってる晴之と、落ち着いてはいるが年齢相応の可愛らしさもある孝輔によるエピソードは、どれも心温まるものばかり。森川さんのコミカルな演技と平川さんの純情がよく伝わる演技のおかげで、聴き心地の良い作品に仕上がっていると思う。身分違いの恋の話をベースにしながら、相手を大切に思う気持ちを丁寧に描いたとてもいい話といえる。だが最初からふたりはデキた状態なので、片思いの切なさや恋のの駆け引きなど「デキるまで」を重視したい人には、少々物足りないかもしれない。

    ふたりの未来はどうなるのだろう?――とても素敵な余韻が残った1枚。

    評価:★★★☆(いろんな面から狙ったキャスティングだったような)
    好み:★★★☆(穏やか~な1枚)

    晴之と三崎が飲んで遊んで帰ってきたシーン。すんごい楽しそう。こういう友だちがいる晴之がうらやましい。

    気になることがあるとすれば、このタイトルが出たタイミングぐらい。森川×平川である「純情2」、平川さんが氷見を演じる「是」オマケCDが同じ頃にリリースされたものだから…ちょっと混乱した。やっぱどこかカブるんだろうなあ。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
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    「愛してないと云ってくれ」 PixyLaboSweet 2007年 … 急ぎ足人情劇

    ドラマCD 愛してないと云ってくれドラマCD 愛してないと云ってくれ
    (2007/09/21)
    イメージ・アルバム水島大宙

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    原作:『愛してないと云ってくれ』 中原一也 二見書房 2006年 
    出演者:井上和彦(斑目幸司)×水島大宙(坂下晴紀)、鈴木千尋(双葉洋一)、ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    2. 好きな声質を持つ声優さんが出演しているから
    8. 原作が好きなので、聞いてみることにした

    日雇い労働者の集まる街で診療所を経営している青年医師・坂下。彼らのリーダー格の斑目は、屈強な男たち相手に一歩も譲らず日々奮闘している坂下を気に入り、なにかとちょっかいをかけていた。ある日、坂下と仲のよい日雇いのおっちゃんが肝硬変を患っていることが発覚。家族に知らせて手術を受けるよう説得してもらおうと考える坂下を、この街の現実を知る斑目は無駄だと一蹴する。坂下を諦めさせるため、躰と引き替えにならおっちゃんの住所を教えてもいいと条件を出す斑目。脅しのつもりだった斑目だが、自分の本気を示すために坂下はその条件をのんで抱かれることになり―。

     
    お手ごろ価格で新品が買えたので聞耳。ワケあり日雇い労働者(井上)×青年医師(水島)。

    さすが井上さんと云うべきか、安心して聴ける演技。だが、品のいい二枚目路線を長年演じてきた方だけに、中原さんらしい下司なセリフを喋ると少し浮いてしまうような感じがした。また「よう!先生」と云って登場してくる場面は、脚本化が悪かったのかワンパターンに感じられて、もっと別の演出はできなかったのかと思ってしまった。坂下を演じた水島さんは「真面目で一生懸命な青二才」で、個人的には坂下にピッタリだと思った。気になるとすれば、モノローグとセリフの境界が(やや)わかりづらかったことくらいか。

    聴きどころのひとつであるおっちゃんの話は聴いていてホロリとする…が、日雇い労働者たちと坂下の楽しいやり取りがあまりなくて残念。原作通りに話は進むのに、キャラに深みを与えるエピソードが少なく(たとえば、斑目が伝説の医者だという伏線がほとんどない)、ドヤ街人情劇BLなのに人間関係は薄めに感じられ、場面転換は急で繋ぎが荒いため、無理矢理1枚にまとめた印象を受ける。原作ではそう感じられないので、演出と脚本化に問題ありということだろう。

    エンディングも残念だった。斑目が囁いて終わるのはいいのだが、受である坂下が主人公のドラマCDなんだからその後の坂下のリアクションは必須のはず。ところがそれがないのでラストがブツ切りに感じられ、余韻がなかった。目で文章を追う小説と耳で演技を聴くドラマは違うということか。

    濡れ場や絡みは「食われる〜〜!」という感じが出ていて良かったし、エロな斑目と真面目に応える坂下の掛け合いは面白いし、おっちゃん役の宮澤さんがいい演技だったので最後までけっこう楽しく聴けた。ただ、原作が今回の「おっちゃん編」の後からどんどん盛り上がりを見せていくため、「本当はここから先が聴きたかったのよね」と思った原作ファンは多そう。なので、どちらかといえば連続ドラマ向きな作品かもしれない。

    ワイルドで下司オヤジ攻が聴きたい人向き。原作が好きなので聴けて良かったと思う…でもちょっと抱いていた印象とは違っていたかな…という1枚。

    評価:★★★(もったいないなー!) 
    好み:★★★(原作が好きなので、イメージ先行しちゃったかな…)

    斑目のイメージを勝手にドラマ「臨場」の内野*陽にしていたことが、個人的敗因だったのかも。

    臨場 DVD‐BOX臨場 DVD‐BOX
    (2009/11/21)


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    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年4月10日に書いた感想を加筆修正
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    「鬼畜眼鏡ドラマCD-眼鏡非装着盤-」 ティームエンタテインメント 2007年 … 平井さん、再び

    鬼畜眼鏡 ドラマCD-眼鏡非装着盤-鬼畜眼鏡 ドラマCD-眼鏡非装着盤-
    (2007/12/26)
    ドラマ平井達矢

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    原作(ゲーム):「鬼畜眼鏡」 Spray 2007年 プレイ(コミカライズ/ノベライズ 未読)
    出演者:大石けいぞう(五十嵐太一)、犬野忠輔(本多憲二)、御堂孝典(浅野要二)、×平井達矢(佐伯克哉)、ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    3. 気になる声優さんが気になる役で出演しているから

    眼鏡をかけると気弱な受から鬼畜な攻に変身する、18禁眼鏡着脱変身アドベンチャーゲームのCDドラマ版。オリジナルスタッフによる完全新作アフターストーリー。何をやっても裏目に出てしまい、失敗ばかりの営業マン、佐伯克哉。リストラを目前にして、半ばあきらめていた彼の前に現れたとある人物。「これを身につけた瞬間から、あなたの人生は大きく変わります」そういって手渡された、なんの変哲もない眼鏡。それをかけた瞬間から、彼の人生は180°変わり始めた…。


    人気ゲーム「鬼畜眼鏡」のドラマCDその2。眼鏡をはずした素の克哉(CV:平井達矢)と、それぞれ結ばれた相手との「その後」の話を収録。つまり今度は平井さん総受。喘ぎっぱなし。

    とゆーわけで、やっぱりゲームは未プレイのまま「非装着盤」聞耳。

    ◆ 五十嵐太一(大石けいぞう)×佐伯克哉 編「駆け落ちカジノ」
    晴れて結ばれ、海外に駆け落ちした太一と克哉。ガジノで稼ごうと太一はカードで勝負するが、大勝したために逆に狙われ、カジノから逃走することに――

    喫茶店バイト大学生(21)×年上ヘタレリーマン(25)。
    太一ルートのハッピーエンドは「すべてを捨て、海外に駆け落ち」なのか、すごいオチだなと思いつつ聞耳。好物の年下攻なのにあまりヒットしなかったのは、太一の世渡り上手ぶりに興味がないからだと思われる。多少ドタバタはあれど、とにかく新婚さん状態で甘い。平井さんの喘ぎが盛大で、合体時の音がけっこう入っている。やんちゃ攻が好きな人にオススメのトラック。

    ◆ 本多憲二(CV:犬野忠輔)×佐伯克哉 編「俺はお前が大好きだ!」
    晴れて結ばれた本多と克哉。ラブラブのふたりだが、克哉を愛するあまり、本多はいつも空回りしてしまい――

    体育会系の同僚(25)×同僚ヘタレリーマン(25)。
    これも太一編と同じで甘い。砂吐くかと思うほどの激甘。バカな子ほどカワイイというか、「装着盤」の時と変わらず本多が裏表のない単純おバカさんなので、聴いていて実にほのぼのする。ただ、それに合わせて話も単純になってしまうためか少々退屈する。でもこれはこれでいいのではないかと思う。

    ◆ 御堂孝典(CV:浅野要二)×佐伯克哉 編「それは言わない」
    晴れて結ばれた御堂と克哉。御堂の自宅で愛される克哉は、なぜかそのまま泊まらず帰ろうとする。引き止める御堂。だが頑なに克哉は拒否、そのまま帰っていく。いぶかしげな御堂だったが、それには克哉のせつない理由があった――

    完璧主義のドSエリートリーマン(32)×一途なドMリーマン(25)。
    「眼鏡装着盤」の逆。今度は御堂が克哉をこれでもかー!と言葉と身体で責めまくる。浅野さんのSっぷり最高。ただ痛いことは一切なく、ひたすら甘い。しょっぱなから合体シーンから始まるが、エロばかりではなくストーリーがちゃんと成り立っているので聴きやすい。御堂から「泊まっていけ、シャツなら貸す」と云われた克哉がなぜそれを拒否したのか――その理由もまたエロいのだが、そんなこと云われたらたしかに御堂もたまらんだろう。結局、御堂は克哉にメロメロ、克哉も御堂にメロメロ。

    ドS御堂に「ちゃんと云え」と云われた克哉、やっとの思いで恥ずかしいことを云うのだが…

    え?なんですって?いま、なんて云ったの!?>平井さん

    とても小さな声だったので聞こえず、何度もボリューム調整をしてしまった。
    そしてそこまでしたのに、大したことは云ってなかったというオチ。

    御堂と克哉のどっちか攻になろうと、平井さんと浅野さんのコンビがもっとも聴き応えがあって上手い。さすがだなの一言に尽きる。たぶん克哉受でも御堂相手が一番人気なのでは?

    ドS攻の激甘が好きな人に、安心してオススメできる1トラック。

    ◆ 佐伯克哉×佐伯克哉 編「特別な日」
    自分の誕生日である大晦日に、克哉はMr.Rからザクロの実をプレゼントされる。そのまま誰もいない自宅に帰った克哉だったが、深夜にチャイムが鳴って玄関を開けると、そこには眼鏡をかけた自分自身がいた――

    眼鏡克哉×ノーマル克哉。
    平井さんのひとり受攻によるエロというビックリトラック。平井さんひとり演技なので、受攻の違いがよくわかる。眼鏡鬼畜攻な低音の平井さんは宝塚の男役風な口調、受を演じるやや高音の平井さんはヘタレ口調。どうやって演じているのだろうかと気になって、ブックレットを確認したら「殆ど、みなさんが聞いているのと同じく交互に喋っていると想像してみてください。終わった後はスタッフ一同、拍手喝采でした」と書かれてあるのを見て、絶句した。ある程度エフェクトで声が被せられているとしても…スゴすぎる。

    最後に除夜の鐘がゴーンと鳴って、大爆笑してしまった。なんてナイスタイミング。

    評価:★★★★(こちらも丁寧に作られていてビックリ) 
    好み:★★★☆(今回もスゴかったとしか云えない…平井さんの仕事っぷりにはマジ頭が下がる)

    愛にあふれているし、とにかく激甘なので、そういうのが好きな人にはオススメの1枚。 

    「眼鏡装着盤」と比べて話がやや単調になった分、最後のひとり上手で引き締めたという印象。さほど面白いとは思えないBLCDよりは、「鬼畜眼鏡」ドラマCDのほうが出来は上だと思う。今回も音楽は良く、御堂編で流れる曲が実にアダルトでいい感じ。カップルの好みなら「御堂>ひとり上手>本多>太一」の順かな。そして「装着盤>非装着盤」。ゲームをやってみたい気はしたけれど、PCのOSが7なので動作保障がないしなあ。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年4月8日に書いた感想を加筆修正

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    「鬼畜眼鏡ドラマCD-眼鏡装着盤-」 ティームエンタテインメント 2007年 … 平井さんって誰?

    鬼畜眼鏡ドラマCD-眼鏡装着盤-鬼畜眼鏡ドラマCD-眼鏡装着盤-
    (2007/11/28)
    ドラマ平井達矢

    商品詳細を見る

    原作(ゲーム):「鬼畜眼鏡」 Spray 2007年 プレイ(コミカライズ/ノベライズ 未読)
    出演者:平井達矢(佐伯克哉)×犬野忠輔(本多憲二)、×床魔乱夢崇矢(片桐稔)、×御堂孝典(浅野要二)、×須原秋紀(大海原渉)、ほか
    作品選択基準(どうして聴こうと思ったか?):
    3. 気になる声優さんが気になる役で出演しているから

    眼鏡をかけると気弱な受から鬼畜な攻に変身する、18禁眼鏡着脱変身アドベンチャーゲームのCDドラマ版。オリジナルスタッフによる完全新作アフターストーリー。何をやっても裏目に出てしまい、失敗ばかりの営業マン、佐伯克哉。リストラを目前にして、半ばあきらめていた彼の前に現れたとある人物。「これを身につけた瞬間から、あなたの人生は大きく変わります」そういって手渡された、なんの変哲もない眼鏡。それをかけた瞬間から、彼の人生は180°変わり始めた…。


    人気ゲーム「鬼畜眼鏡」のドラマCD。眼鏡を装着した鬼畜な克哉(平井達矢)と、それぞれ結ばれた相手との「その後」の話を収録。眼鏡克哉攻のみ、つまり平井さん総攻…ってか、平井さんって誰よ?……。

    ゲームは未プレイでもなんとかなるかな?…と思いつつ聞耳。

    ◆ 佐伯克哉×本多憲二(CV:犬野忠輔) 編「パパラッチデート」
    晴れて結ばれ、イタリアにて同棲中の克哉と本多。ところが久しぶりのデートでも、克哉の仕事に本多は利用されてしまう。怒り出した本多に、克哉は「勝負に勝ったら日ごろの願いを叶えてやろう」と提案。いつも抱かれてばかりで克哉を抱きたい本多は、克哉に宣戦布告をするが―

    鬼畜リーマン(25)×体育会系の同僚(25)。
    本多と眼鏡克哉はどんな勝負するんだ?と思っていたら、本多「克哉!俺と6*で勝負だ!」。真夜中に聞いていた秋太夫、ここで思わず大爆笑。自信満々な眼鏡克哉が本多に「せめて1分ぐらい持たせろよ」と返していたので、本多は果たして何秒持つのかとその真剣6*勝負をストップウォッチで計測してみたら、約3分07秒で本多昇天。3分もの間、ふたりはずっとモゴモゴやっていた。平井さんの音、スゴすぎ。そりゃ犬野さんだって3分で昇天するさという匠ぶり。そして犬野さんが存外可愛いかったことにビックリした。犬野さんとよく似た声の人は一般BLではほとんど受をしない方だと思うので、「こんな声が出せるのか」と感動したい人や、平井さんの低音とテクに興味がある人には必聴の1トラック。

    「克哉!俺と6*で勝負だ!」は、何度聞いても大笑いしてしまう。

    ◆ 佐伯克哉×片桐稔(CV:床魔乱夢崇矢) 編「初めての新婚旅行」
    晴れて結ばれた克哉と片桐。ある日、片桐は商店街福引で熱海温泉旅行を引き当て、克哉をその旅行に誘う。新婚旅行状態のふたり。自分に自信がなく、今のうちに克哉と思い出を作ろうと考える片桐に対し、克哉は「信用しろ」と云い出し――

    鬼畜リーマン部下(25)×窓際族のバツイチ乙女課長(43)。
    いわゆる乙女オヤジ受。乙女オヤジには興味がないので、淡々と聴いてしまった。それでも「特設会場」でパシャパシャとハデに万年課長を食っちゃうところは、「さすが平井さん!」な出来。万年課長役の床魔乱夢崇矢さんは、オヤジを演じるには声が若いかな?という印象だが、43歳なのに50歳を軽く過ぎたようなオヤジぶりのため、まずそのキャラ設定で好みが分かれそう。

    ◆ 佐伯克哉×御堂孝典(CV:浅野要二) 編「時間がない」
    晴れて結ばれた克哉と御堂。克哉との共同で会社を立ち上げる予定の御堂だが、肝心の克哉はなかなか現れない。そんなある日、会社に克哉が突然現れ、ふたりは誰もいないミーティングルームへ。「あんたを今抱きたい」「時間がない」と克哉は御堂を押し倒し――

    鬼畜リーマン(25)×完璧主義エリートリーマン(32)。
    のっけから「時間がない」「あんたが足りない」と会社で御堂とヤリ出す克哉。どれだけ時間がないんだろう?という素朴なギモンから、克哉が御堂を押し倒して「果たしてそうかな?」と云ってからの合体をストップウォッチで計測したら、約1分14秒で眼鏡克哉昇天。あの?本多より2分近く早いんですが?たしかに時間がなかった、間違いない。早々に終わったと思ったら、あとから2ラウンド目があり、御堂さんが鬼畜克哉にスゴイご奉仕をしたのでビックリした。クラクラさせられるエロさ。

    「初めての共同作業」に大笑い。浅野さんと平井さんの対決は、4組の中でもっとも実力が釣り合っていたと感じた。ゲームをプレイしていないが、克哉×御堂って一番人気なのでは?

    ◆ 佐伯克哉×須原秋紀(CV:大海原渉) 編「嬉しいお出かけ」
    晴れて結ばれた克哉と秋紀。通りを歩くふたりの前に、Mr.Rが現れる――

    鬼畜リーマン(25)×少年。
    年の差モノ。ストーリーは8分あるかどうかという短さなのでエロはなし、チューのみ。秋紀は自分を「飼い猫」と云っているので、たぶん眼鏡克哉に飼われている、つまり攻に逆らわない受だと思われる。カワイイ男の子と年の差が好きな人向けという印象。秋紀の年齢がわからないのは、なにかの対策だろうか?

    評価:★★★★☆(丁寧に作られていてビックリ。そしてこんなに笑える作品だと知らなかった) 
    好み:★★★★(好きな順としては「御堂≧本多>秋紀>片桐」)

    「鬼畜」とタイトルにある以上、どんだけすんごいものを聴かされるんだろう?とビビッていたら、暴力だのSMだの基本合意ナシだのというのがひとつもなく、どのカップルもメチャ甘かった。大笑いまでさせてもらったので、楽しんでしまったー。今まで聴いたCDの中でもっともエロがスゴかったけど、それだけで終わっていないのがとても良かった。ただし、ゲームをプレイして背景を知った上で聴いたほうがより楽しめそう。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。

    *2010年4月8日に書いた感想を加筆修正

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    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

    >>ネタバレ上等<<
    なので、お気をつけ下さーい!

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