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    湖水きよ 『カラダめあてで悪いか』 大洋図書 2011年 … センスめあてで悪いか

    カラダめあてで悪いか (ミリオンコミックス/Hertzシリーズ100)カラダめあてで悪いか (ミリオンコミックス/Hertzシリーズ100)
    (2011/06/30)
    湖水 きよ

    商品詳細を見る

    雑誌掲載時から「早く早く!単行本化して、そのアビリティとポテンシャルを教えてくれ!」と、個人的にずーっと気になっていた新人・湖水きよのデビュー単行本。

    「カラダめあてで悪いか」特別サイト(大洋図書公式サイト)→ こちら

    ◆ 「カラダめあてで悪いか」
    表題作。同級生もの。ガタイのいいオラオラにーちゃん×無表情でキレイな男の子。
    上級生によく絡まれる受の男の子が、攻のオラオラにーちゃんのガタイに惹かれて付き合うことに。ところが身体の関係が先行気味、考え方や物事の捉え方がまったく違うせいか、ふたりきりになるとよくギクシャクしてしまう。さてこの恋の行方は?――という見た目も性格もまったく違う上に、自分の意思を伝えることが下手である不器用なふたりが、会話や行動によって少しずつ互いを理解していくという話。このふたりの会話が非常に興味深かった。考え方や捉え方の違いってのは、恋愛に限らず私もしょっちゅーネットやリアル社会で遭遇する。何度「そうだったのかー」と目からポロポロ鱗を落としてきたことか。云ってくれなきゃわかんない、でもその云い出すタイミングが悪かったり、相手に嫌われたくなくってという気持ちでぐるぐるしたりと、ああ、それよくわかるなあと思いながら読んだ。角野(攻)は…これからも蓮見(受)に振り回されるだろうなあ。

    ◆ 「夜は降る」「あとのしまつ」
    年の差もの。どーしよーもなく生活力のないヘタレ年上男×落ち着いてしっかりした高校生。
    主人公(受)が幼い頃、生活力のないどーしよーもない男が姉に会いに窓からよく現れた。その男を追って実姉が家出をしてしまう。だが数年後、再び家の窓から現れた男はひとりだった。追われている男をかくまう主人公。やがてそんなどーしよーもない男に主人公は惹かれ始める――という、なんでそんな男に惚れるのだ、まあ仕方ないよね、それが恋のマジックなんだから…という話。どーしよーもない攻めは好みではないはずなのに、これが面白い。姉のキャラ設定がまたいいスパイスになっていて、笑える。姉は男ごとに見た目や性格が変わるけど、弟である主人公はなにも変わらない、でも好きになった男は同じ――という対比が素晴らしい。あ〜あ、こんな男じゃ苦労するだろうなあと思うのに、それでもふたりは幸せになりそうな気がする。

    出来は「夜は降る」が格段に上で面白いんだけども、好みなら表題作のほう?

    湖水さんはオシャレなスタイリッシュ系ハイセンス作家に属すると思う。でもそういうタイプは難解な作風を持ってたり、スノッブ/小洒落すぎて読みづらかったりと、たまについていけなかったりする。たぶん、この本もパっと見そういう印象があるから、「どうしようかな〜…」と手を出すか決めかねている人は多いと思う。ひとことで云うと、この作品は読みやすい。無機質に見える絵は思ったほどクセが強くなく、綺麗。あえて例えるなら「線をスッキリさせたえすとえむ」という感じ。すでに平均以上のレベルだけど、まだまだ上手くなるなあと感じさせるものがある。ちなみに露骨なエロ描写はほとんどない。

    ただカラーが…キレイなんだけど透明感に欠けていて、なんとなくもったいない感じがする。いかにもデジタルでござーいという配色は、ゲーム画像のようで好みが分かれそう。立石涼さんやタカツキノボルさんといった、アニメやゲームっぽいカラーリングをする絵師が好きな人にはストライクかもしれない。

    2本読んだ限り、湖水さんは…若くておとなしく芯の強い受が好みなのかなあ?という印象、そんな受の淡々とした目線で話がゆっくり進行する。強引なモノローグで押し切ることもなく、ちゃんと攻や脇キャラとのダイアローグも絡めてあるので、どのキャラにも存在意義があり、受のひとり相撲にはなっていない。話にBL的都合のよさがないので、最後まで読まないとふたりがどうなるかわからない。胸キュン☆ドキッ!なポップさや派手さもないけれど、こういう作風を支持する層は多いと思う。よって、湖水さんのことがちょっとでも気になるならば、本作を読んでみることをオススメする。

    そのセンスを大いに買いたい期待の新人。

    評価:★★★★(上半期BLコミック部門新人ナンバーワン。これからの活躍を大いに期待)
    ガタイのいいオラオラにーちゃんと高校生が描けるということで、松田美優さんとのコラボに超納得。

    ノベル部門では1作限りで終わる新人がここ数年続いている大洋図書だけれど、コミック部門では最初から実力を感じさせる新人が出てきて、そのまま他誌でも活躍していたりするので、HertzやCRAFTで湖水さんが描き始めたときも「この人!」とチェックしていた。そして今回まとめて読んだらば、年に1人ないしは2人くらい出てくる「今後大いに期待できる新人さん」だったよー!やったー!…というわけで、期待から三ツ星半に半星つけて四ツ星評価としました。たぶんもっともっと上手くなると思う。各編集部は、この新人さんを大切に育てて欲しい。

    ZERO STARS … 論外/問題外作
    ★ … お好きな人はどうぞ。
    ★★ … つまらない。
    ★★★ … 退屈しない。なかなか面白い。
    ★★★★ … とても面白い。佳作/秀作。エクセレント。
    ★★★★★ … 天晴れ。傑作。ブリリアント。

    「オススメ作品」は基本的に★★★☆以上。
    「絶対オススメしておきたい作品」には@RECOMMEND@マークがつきます。
    性格上の理由から、★評価は厳しくなりがちなので、★5つ作品はあまり出ないと思います。

    *2011年8月7日に書いた感想をちょっとだけ修正
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    プロフィール

    秋林 瑞佳

    Author:秋林 瑞佳
    「あきりん・みずか」と読みます。
    (BLCD感想はジョセフィーヌ秋太夫が担当)

    風来のネットサーファーにして、
    ハンパない映画ギーク。
    そしてなにかと悩める電脳仔羊。

    気の向くまま、
    ネット場末で人知れず更新中の、
    BL感想&レビューブログです。

    >>ネタバレ上等<<
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